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ヒロシのWorld NEWS

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人の心を癒(いや)す音:苦しめる音 (BBC-Health, February 3, 2017)

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 ショパン (Chopin) のピアノ曲「Nocturn No20 (ノクターン第20番嬰ハ短調)」は、シットリと人の心を魅了する。また、風が松林を駆け抜ける松濤 (しょうとう) や小川のせせらぎを耳にすると、心は自ずとなごみ、傷ついた心も癒される。
 しかし、同じ「sounds (音)」でも騒音 (noises)は、人に苦痛を与え、不幸にする。
 
 人の好みは、みな違い、将来の目的も信条も違う。しかし、だからと言って、勝手にいつでも好きなことをしても良という理由にはならない。ごく当たり前のことだが、みんなが快適な生活を送るためには、他人に配慮することが欠かせないのだ。
 このため、古くから人間は決まりごと、規範・ルールあるいは法をつくってきた。ところがその伝統基盤が危うくなっている。

 「エゴ (ego)」とはラテン語で英語「I (私)」のこと。「egoism」とすれば「利己主義、自己中心主義)」となる。国家レベルではヨーロッパにおける極右政党の台頭、USAのアメリカ第1主義、文科省天下り問題がこのカテゴリーに入り、個人レベルでは「人さまに迷惑をかけるものでない」の教えが崩れたことだ。

 さて、騒音は法律 (公害防止条例) で規制され、住宅地の静寂な環境は守られている。しかし、住宅に隣接する学校の野球場における騒音には辟易する。部員は大声でわめき、応援団は太鼓をドンドンとたたき続ける。高校野球は「健全な青少年の人材育成・教育の一環」との旗印を掲げる高野連も、これを支援するX新聞社も、本気で「人々の幸せ」、「教育」を考えているのか、極めて疑わしい。組織のエゴや大衆受け・利得を優先しているのでは―。

 さらに、運が悪かったと気づいたのは、新幹線の入り口付近の席に座って、列車がホームを走り出したときだ。すぐに数人の子どもが隣の客車に通い始めた。どうやら、家族か知り合いの席が、別の客車にもあるらしい。それにしても、数10分おきにドアが開閉し、そのつど冷たい風に曝 (さら) されると、心が安まるどころではない。せっかくの旅行がつまらないものに一変したのは言うまでもない。

 不運は続くもの。ある会議で、隣の席に座った某氏。会議の進行にはお構いなしに内職を開始。パソコンを開いて、パチパチとキーボードをたたき始めた。「傍若無人の振る舞い (outrageous behaviour)」とは、このようなことを言う。

「Newbury House Dictionary, fifth ed., 2014」によると、

"One becomes annoyed or irritated before one becomes angry. If one is very angry, one may be described as being infuriated or enraged.
[ 人が怒る前には、悩まされ、イライラさせられることがあるもの。その怒りが強ければ、激怒あるいは憤怒となって現われる。]

 しかし、人によっては、他人が「crisps (ポテトチップス)」をパリパリと食べる音や、カシワの枯れ葉がカサカサ (rustling) と風で揺れる音によって、脳内の「anterior insular cortex( 前部島皮質)」の神経が過度に刺激され、極度の憤怒感情に悩まされるという。これは「misophonia (ミソフォニア、音嫌悪症)」。

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/736/cpsprodpb/0642/production/_93920610_thinkstockphotos-516184550.jpg

                                (写真は添付のBBC Newsから引用。)     

                                      

 Newcastle大学のDr Sukhbinder Kumarによると、
"The reaction is anger mostly, it's not disgust, the dominating emotion is the anger - it looks like a normal response, but then it is going into overdrive."
[ ほとんどの場合、この感情反応は怒りとなって現われる。嫌悪感を飛び越え、心の中は怒りでいっぱいになる。一見して、普通の感情反応のように見えるが、怒りが爆発しそうになっているのだ。]

"It is not clear how common the disorder is, as there is no clear way of diagnosing it and it was only recently discovered."
[ この疾患がどれほど一般に広がっているのか、よく分かっていない。診断法がよく分かっていない上に、ごく最近になって症状が確認されたためだ。]

 騒音が気になるなら、「ear plugs (耳栓)」をすればいいのでは、と加害者は勝手なことを言う。しかし、それでは、いつまでも「音 (noisy sounds)」に追い回され、逃げ惑うことになる。

 この真冬の季節、ナンテンであれ、コハゼ、ナナカマドであれ、枝に残った木の実は少ない。けれど、1 羽の小鳥が、その木の実を全て一度に食べ尽くしてしまうことなど、見たことがない。野生生物 (wildlife) の心は、なんと清いことか。

                        

www.bbc.com