夜はなかなか眠れないのに、朝、起きるのがつらい。ようやくベッドから這い出しても、頭はボーットしてフラフラ (groggy)。眠気 (sleepy) がとれない。
こんな人は体内時計 (body clock) の修復またはリセットが必要だ。
Colorado Boulder大学の Dr Kenneth Wright によると、
"We're waking up at a time when our circadian clock says we should still be asleep."
"This is damaging to health with studies suggesting links with mood disorders, type-2 diabetes and obesity."
[ 体の概日時計がまだ眠るようにと告げているときに、起き出そうとしている。]
[ そんなことをしていると、気分障害や 2型糖尿病、肥満を招いて、健康を損ねることが、これまでの研究で分かっている。]
自然 (nature) の時間のサイクルに、人の体の概日リズム (circadian rhythm) が合わなくなってしまったとき、急場しのぎで睡眠薬 (hypnotics) の力に頼り、無理やり睡眠時間を確保しても、問題の解決にはならない。
そもそも、体内時計が狂うのは、夜間の照明 (artificial light) が強すぎる上、目覚まし時計 (alarm clocks) でリズムを強制し、夜遅くまでスマートファオン (smartphones) に熱中しているためだ。これで、人間が本来持っていた睡眠習慣 (sleeping habits) は、すっかり変えられている。
ろうそく (candles) が貴重だった時代に比べて、確かにみんなが豊かになり、夜も活動できるようになった。そして、少しばかり我がままにもなった。社会・時代の変化や科学の進歩にともなって人類が手にしたものは多い。が、犠牲にしたものも少なくはない。
Dr Wright らの研究チームは、ボランティアの協力を得て、体内時計をリセットする実証実験に挑戦し、その結果を医学雑誌「Current Biology」に発表した。
Dr Wright が勧める効果覿(てき)面の方法とは、野外キャンプ。それも、週末のキャンピングが最適だ。そしてキャンプ中、夜は、できるだけ照明を使わないこと。実験では1週間のキャンプ生活で、睡眠ホルモン (sleep hormone)「melatonin (メラトニン)」の分泌が2時間半も早まり、それだけ、早めにベッドに就くようになった。
つまり、野生生物 (wildlife) と同じ概日時計のリズムを取り戻したのだ。
さらに、一旦、リセットされた体内時計を「元の木阿弥 (relapse)」にしないためには、日中できるだけ照明の強度を上げて、逆に夜は、室内の照明の明るさを落とすこと。これには調光器付きの照明器具が役に立つ。
"If you want to watch your favourite TV show 'record it.' "
[ 深夜のお楽しみTV番組があったら、それを録画し、(後日、体内時計が就寝サインのメラトニンを分泌する前に、鑑賞することだ。)]
なお、BBCの「睡眠」に関する情報については、筆者 Blog の右に設置された小さな検索欄に、「睡眠」と入力すると、この数年間に発表された関連記事が閲覧できる。
お試しあれ。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)