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君は見たか!:あれが「オーストラリアの炎」だ (BBC-News, January 23, 2017)

 

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 宝石「opal (オパール)」の語源はラテン語の「opalus」。しかし、そのラテン語も古代インドのサンスクリット語の「upala (gem stone の意)」に遡 (さかのぼ) る。
 このことから分かるように、オパールはその昔、インドからヨーロッパにもたらされた。

 なお、東洋では、古くから、この石には毒・疫病を防ぐ力があり、悲しみさえ追い出してくれると信じられ、魔除け・お守り (charms) として大切にされた。
 一方で、教会・聖職者が、悪魔を持ち出しては、大衆の心をがんじがらめにし、また生き様までコントロールした中世ヨーロッパでは、オパールに対する扱いが全く違っていた。不透明な乳白色の石の中には悪魔が住み、人を盲目にすると恐れられたという。

 そのオパール。日本では蛋白石とも呼ばれる「ケイ酸塩鉱物 (silicate minerals)」。非晶質の微細な「silica (二酸化ケイ素)」粒が密に詰まった集合体で、化学組成は SiO2・nH2Oと表わされる。 

 さて、今から 70年前の 1946年のこと。Mr Walter Bartram はオパール原石を探してオーストラリア大陸南部の「Coober Pedy (クーバーペディ)」を歩き回っていた。そこは、Adelaide (アデレード) から北におよそ 750km離れた、ほこりだらけ (dusty terrain)の、夏の暑さが厳しい一帯だ。そして、みごと大ものを掘り当てる。重さが 998g(35.2oz) の「precious opal (プレシャス・オパール)」原石だった。価格にして $680,000(約7,800万円)。その余りにも大きく、まばゆいばかりの輝きを放つ原石は「The Fire of Australia (オーストラリアの炎)」と名付けられた。

 その後、Mr Bartram はオパールの取引で財を築く。しかし、「The Fire of Australia」だけは売りに出さず、貸金庫 (safe deposit box) にしまい込んで、人目に出すことはなかったという。
 Bartram 家を継いだ息子の Mr Alan Bartramは、父の意志を守り抜くことに決め、この原石を Adelaideの「South Australian Museum (南オーストラリア博物館)」に展示して、次世代の人にも鑑賞してもらうことにした。

 遊色効果が強く、キラキラと輝く「light opal」の巨大なサンプルは、数百万年前、この地が内海 (inland sea) であったこと、海水が蒸発して二酸化ケイ素 (silica) が堆積し、その後に地殻変動があったことを示す証拠だ。
                             (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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