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自走ロボットのナビ設計:精巧なアリの脳神経回路を写し取れ (BBC-Science & Environment, January 19, 2017)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/872/cpsprodpb/16DF4/production/_93648639_ant.jpg

 地球上の、どの生物 organisms) の器官・働きにも、目を見はるものがある。魚やイルカなどは水の流体抵抗を極力減らすために体型や皮膚の構造を進化させた。そして一部の昆虫や鳥は効率よく空を飛べるように骨の組織や羽・翼を進化させ、トンボ、カラスなどの飛翔力はずば抜けている。
 科学が進歩したとは言え、生物から学ぶことは多く、「創造主の技」に近づくのは、まだまだ遙か先のことだ。

 今回、取り上げるのは「蟻 (ants)」。アリは、1億数千万年前に、地球上に現われたと言われ、仲間や餌をかぎ分ける臭覚センサーが極度に発達した、ハチの仲間だ。
 しかし、アリのすごさはそれだけには留まらない。その小さな頭に収められた脳は、ピンの先 (pinhead) の太さにも満たないほど、ちっぽけなもの。だが、そこには極めて精巧 (remarkably sophisticated) な神経回路 (neural circuits) が組み込まれていた。

 Edinburgh 大学と「Centre National de la Recherche Scientifique, CNRS (フランス国立科学研究センター)」の共同研究チームは、「砂漠アリ (desert ants)」がどのようにして進路を決めているのかについて詳しく調べた。

 そして得た結論。アリが寄り道しても、ぐるぐる回っても、進むべき方角を間違えない理由は、太陽の位置 (Sun's position) の確認と視覚情報 (visual information) を組み合わせた「navigation system (ナビゲーション・システム)」をとっていることにあった。
 ちなみに鏡を使って、太陽の位置を分からなくすると、アリは方角を見失い、行き先を間違えたという。

 科学者たちは、この研究成果を、自立型自走ロボットに内蔵するコンピュータのアルゴリズム設計に役立てたいと考える。アリの脳の神経回路をモデルにしたアルゴリズムが完成できれば、森のような複雑な自然環境の中でも、自由に動き回れるロボットが開発できるに違いないと、夢を語っている。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com