BC3,000以前にエジプト人は、天から降り注いだ隕石 (meteorites) を神聖なものとして崇め、それから装飾品やナイフなどを作り上げた。その製鉄技術 (ironworking) は、現在の「Almenia (アルメニア共和国)」の辺りで勃興した「Hittite Empire (ヒッタイト帝国)」によって、さらに磨かれ、ほぼ完成を見る。Hittite は、鉄鉱石から鉄を取り出す、この技術をひた隠しに隠したが、BC1200頃になって帝国が滅びると、「Hittiteの秘密」は中東一帯の国々に広まり、ローマはもちろんのこと、ヨーロッパ中に知れ渡ることになる。
なにしろ、切れ味がそれまでの青銅の剣とは比べものにならない。そして耐久性に優れる。鉄で作った農具もしかりで、農業生産は格段に上がったと思われる。
こうして、BC3,500年頃から続いた「青銅器時代 (Bronze Age)」は終わりを告げ、「鉄器時代 (Iron Age)」に入る。
この鉄がイギリスにもたらされたのはBC600年頃。「ケルト系民族がイギリスに渡った(Celtic immigrations)」ときに、持ち込んだと言われている。
それから数千年が過ぎた18世紀後半、鉄 (iron) は武器や農具の他に、橋や建物の建築材として盛んに利用されるようになり、産業革命が起こる。
現在、世界で最も鉄鉱石を産出している国はオーストラリア (年間約4億7千万トン[2014 年統計])。その鉱山開発を支えているのは、まぎれもなく中国の経済発展だ。
一時冷え込んでいた中国経済も、巻き返したため、昨年度の鉄鉱石の市場価格はトン当たり $80レベルで乗り切った。
ところが、オーストラリア政府の「The Department of Industry, Innovation and Science (産業・技術革新・科学省)」が発表した報告書によると、今後、鉄の需要が減って、鉄鉱石の価格が暴落し、2018年頃には、現在の半値に近い $46.70 になると予想される。
政府のこの発表を受けて、オーストラリアの主な鉱山株 (shares) は軒並み下落した。なかでも最大の下落幅を記録したのは、Fortescure Metals (フォルテスキュー・メタルズ・グループ)」の 3%減。資源メジャー企業の BH Billiton、Rio Tinto も株価を下げた。
"The department also lowered its forecast for iron ore exports by 2% to 832.2 million tonnes for the fiscal year 2016-17"
[ さらに当局は、2016年度の世界全体の鉄鉱石輸出量を、前年度に比べて 2%減の 8億3千220万トンと、低めに予測した。]
(写真は添付のBBC Newsから引用。)