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気候変動だって!:そんなものに負けるもんか、野生生物 (BBC-News, December 28, 2016)

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 温暖な冬と悪天候が続く夏。これがイギリスのお天気の定番 (norm) になってしまった。とくに 2016年は各地で大雨、洪水が相次ぎ、「気候の不安定な 10年間 (unsettled decade)」で最悪の年であった。

 野生生物 (wildlife) は、この気候変動に加え、イギリスで進む集約農業 (intensive farming practice) によって大きな影響を受けた。気候変動の陰では、命を短くするものもあり、逆にそれが生態環境に有利に働いて、個体数を増やすものも現われる。
 National Trust (ナショナル・トラスト) は、その調査結果を「The 10th annual wildlife report (第10回野生生物年次報告書)」にまとめた。

 その報告書によると、イングランド南部の州「Somerset (サマセット)」では、「bumblebees (マルハナバチ)」が前年度に比べて 85%も減少した。雨が続いて牧草(grass) が余りにも生い茂り、密の取れる野草 (wildflowers) が、それに押しつぶされてしまったためだ。
 反面、牧草が茂って助かったのは、「湖水地方 (Lake District)」Ennerdate Valley の Longhorn cattle (長角牛)。それに、湿地を好む「marsh fritillary butterflies (ヒョウモンモドキの仲間)」は、この 10年間で 5.6倍も増えた。

  ところが、Dorset (ドーセット州) の「Isle of Purbeck (プルベック島)」では、「meadow butterflies (メドウ・バタフライ)」が減少し、「marbled white (ヨーロッパ・シロジャノメ)」に至っては 73%、「common blue butterflies (コモン・ブルーバタフライ)」は 23%も数を減らした。

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 一方、小鳥はたくましい。イングランド南西部 Cornwall、Devonに生息する「cirl buntings (ノドグロアオジ)」は、1989年当時に比べて個体数を 8倍も増やした。
 また、イングランド南東部の Norfolk (ノーフォーク) 北海岸の「Blakeney Point」や「The Farne Islands (ファーン諸島)」では、「grey seal (ハイイロアザラシ)」の個体数がこの 12年間で数十倍に増えた。それに反し、野ネズミ (field voles) が減ったため、これを餌とする「メンフクロウ (barn owls)や「チョウゲンボウ (kestrels)」は数を減らした。

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 さらに、秋の天候が穏やかな年が続いたせいで、リンゴの収穫量も伸び、「damsons(ダムソン・プラム)、「acorns (ドングリ)」、「hazelnuts (ヘーゼルナッツ)」もよく実った。

"Whilst slugs have benefited from the milid and wet weather, gardeners have had to suffer the effects on their plants."
[ この温暖で、雨の多い天気に喜んだのはナメクジ。そのやっかいものに庭の草花を荒らされて困ったのは、園芸家のみなさんだった。]

 

 今年の記事はこれにて終了です。読者のみなさま、どうぞ、よいお年をお迎えください。
                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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