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ヒロシのWorld NEWS

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ゼロは西欧で嫌われものだった!:なぜ? (BBC-Future, December 6, 2016)

文化・文学

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 Zero (ゼロ) の語源をたどると、Sanskrit (サンスクリット語) の「sunya」または「syunya」( empty の意)に行き着く。インドには、古くから「何もない (nothing being something)」という考え方があったという。

 仏教の教えで「nyrvana (涅槃)」とは、全ての煩悩が消え去って、迷いや悩み、欲望から解き放された心の空の境地を意味し、記号 0 で表わす。この丸い円は、「The serpent of eternity( 無限の蛇)」の形で「The circle of life (生命の無限のサイクル)」を表示するもの。古代ギリシャの「Ouroboros (ウロボロス)」を、極限までに具象化した記号と言える。

 なお、今に残る碑文 (inscriptions) によると、バビロニアやマヤの人々も、季節の移り変わりを計算するために、紀元前 2,400の昔には、すでにゼロの概念を記号化していたことが分かる。ちなみに、バビロニアのゼロは、ラッパの形が斜めに 2 つ並ぶ。

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 さて、ゼロ (zero) が南アジアから中東に伝えられると、アラブ人はこれをアラビア数字 (Arabic numbers) に取り入れて、現在の数値表示を確立する。そして、やがてヨーロッパにもアラビア数字が伝えられた。ところが、奇妙がことが起こる。

 時は、イスラムと戦う十字軍遠征の時代。アラブ人のものは、ことごとく「疑いと不信 (scepticism and mistrust)」で見られた時代でもあった。

"In 1229, zero was banned in Florence, along with all Arabic numbers, because they were said to encourage fraud. Zero could easily be doctored to become nine, and why not add a few zeros on the end of a receipt to inflate the price? "
"What's more, zero was seen to set a dangerous precedent because it was the gateway to negative numbers. And negative numbers legitimated the concept of debt and money lending."

[ 1229年、イタリアのフィレンチェで、ゼロは全てのアラビア数字とともに使用禁止となる。ゼロは、ごまかしを助長するというのが、その理由だ。数字の  0 は、簡単に 9 に改ざんできるし、領収書の数字の後に、ゼロを何個か並べて水増しだってできるではないか。]
[ さらに、ゼロは危険な社会上の慣例になりかねないとも危惧された。ゼロは、負の数の入り口だ。負の数は、借金や資金融資の概念を正当化するものだと。]

 そんなことが続いて、結局、アラビア数字が、イギリスで印刷されるようになったのは 15世紀になってからだ。
 
"By the 17th Century, zero emerged triumphant as the basis of Cartesian co-ordinate (the x and y graphs you meet in school) invented by the French philosopher Descartes. His system is still employed in everything from engineering to computer graphics."

[ 17 紀までに、ゼロは、フランスの哲学者デカルトに考案されたデカルト座標 (学校で学ぶ  x - y グラフ) の原点として、輝かしく世に現われる。今や、この座標システムは、工学からコンピュータ・グラフィックまであらゆる面に使用されている。]

 もちろん、理工学分野の基礎をなす Newton の「微積分学 (Calculus)」では、独立変数 x の変化を限りなく 0 に近づけて無限に小さくしたときの、従属変数 y の変化量dy/dxが主役であり、無限差分 (infinitesimal difference) の考え方が欠かせない。

                                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com