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肺ガン細胞の転移:まるでテントをたたんで引っ越しだ! (BBC-Health, November 25, 2016)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/976/cpsprodpb/5DF5/production/_92635042_m1320714-lung_cancer_cell_sem-spl.jpg

[ 山中にてテントを移動するには、まずテントの中を整理し、4隅 (すみ) に打ち込んだ杭を外してからテントを持ち上げ、運ぶ。]

"In order to move the tent, we have to rearrange its contents and collapse its sides in order to lift it out of its anchored position and carry it away."

  なんと、肺ガン (lung cancer) の腫瘍細胞が転移 (metastasis) するとき、これと同じようなことをやっていた。このガン転移のメカニズムを発見したのは、York 大学の Dr Daniel Ungar らの研究グループ。その詳細は「The Journal of Clinical Investigation」に発表された。

 どうやら、Zeb1 と他 1 つのタンパク質 (proteins) が、一連の転移プロセスを指揮しているらしいことも分かった。
 肺ガンの細胞は「Golgi apparatus (ゴルジ装置)」あるいは「Golgi complex (ゴルジ複合体)」として知られているように、その形は、まるでテントのように扁平な袋状の薄膜構造 (membrane sacks) をしている。それが、転移の時期を迎えると、その係留 (mooring)を取り外すかのように自らの薄膜構造の周囲を断ち切り、ふわりと浮いて、体中に移動して行くという。

 このため、肺ガンの転移を防ぐためには、司令塔のタンパク質を叩く必要があるが、周りの健全な細胞を傷つけずに、どうやって、これを攻撃するかが課題だ。

 肺ガンの転移のメカニズムがようやく解明された。それにしても、肺ガンの細胞が、テントを抱えた風来坊とは。探しても、なかなか行方 (ゆくえ) が分からないはずだ。

                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com