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核爆発に耐えた生物イチョウ:ゲノム解析でその神秘に迫る (BBC-Science & Environment, November 21, 2016)

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 71年前の 1945年の夏。心ない人が、無慈悲にも広島に落とした核爆弾によって、10万人を超える市民の尊い命が、無数の動植物の生命もろともに、一瞬にして奪われた。
 
 しかし、驚く生命力で、その核爆発に耐え、生き抜いた生物 (organism) がいた。イチョウ (Ginkgo) だ。学名Ginkgo biloba、日本語では「銀杏」とも書く。
 イチョウの種 (しゅ) は、今から 2億 7千万年前のペルム紀 (Permian Period) の岩石中に、化石 (fossil) として発見されている。ところが、その独特の葉の形は、現在のものとほとんど変わっていない。まさに「生きている化石 (living fossil)」と呼ばれるゆえんだ。

 イチョウは、地球上に誕生して以来、度重なる苛酷な氷河期をも生き抜いた「つわもの」そのもの。一体、その DNA はどのようになっているのか。科学雑誌「GigaScience」に発表された、ゲノム解析の結果は、目を見はるものだった。

"It reveals the tree's genome to be huge, comprising some 10.6 billion DNA 'letters'."
"By way of comparison, the human genome contains just three billion letters."
[ ゲノム解析によって、イチョウの DNA ゲノムは膨大な情報であふれ、およそ 106億の文字で書かれていた。]
[ それに比べると、ヒトのゲノムはわずか 30億の文字で書かれているに過ぎない。]

 地球上に生き続けた長さも、ゲノムの複雑さもさることながら、生き抜くための戦略もみごとなもの。

"A Ginkgo is known to produce chemicals that are unpalatable to the insects that try to eat it, and will counter the fungi and bacteria that attempt to attack it."
[ イチョウは、虫が嫌がる化学物質を分泌して食害を防ぎ、樹木に取り付こうとする菌類・細菌をやっつけることで知られている。]

"Its anti-insect arsenal is particularly smart. The Ginkgo will synthesise one set of chemicals to directly fight a pest, but also release another set of compounds that specifically attract the insect' enemies."
[ 虫に対するその防御の備えは、極めてレベルが高い。1 セットの化学物質を合成しては、これで外敵の虫と直接闘い、その一方で、別の化合物のセットを分泌して、狙いをつけた敵の敵(すなわち天敵)を誘い込む。]

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                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com