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ガン免疫療法:腸内細菌「ルミノコッカス」の出番ですよ! (BBC-Health, November 7, 2016)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/3081/production/_92271421_c0305002-enterococcus_sem-spl.jpg

 人間の体は、外から侵入するウイルスや異物細胞などと闘う免疫システムで守られている。なかでも重要な役割を担うのが「Natural killer cells, NK cells (ナチュラル・キラー細胞)」。
 ところが、このNK細胞には自己コントロールシステムが働いている。過剰防衛に走って、自らの細胞を壊すことのないようにと、通常はブレーキが掛かっているのだ。それがNK細胞内の特殊なタンパク質 (proteins) のCD5、CD6。

 ただし、体の中にガン腫瘍 (tumours) ができたときは、話は別。ブレーキを外して、腫瘍に対する攻撃力を強め、免疫システムを飛躍的に活性化させる必要がある。これが最先端のガン治療法「免疫システムのブレーキを外した免疫療法 (taking the brakes off immunotherapy)」の考え方だ。

 さて、この免疫療法では、腸内細菌 (gut bacteria) が重要な役割を演じていることが分かった。
 人間の腸の中に生息する「micro-organisms (微生物)」の数は数兆個。それらが自己免疫疾患 (auto-immune diseases) やアレルギー (allergies) に深く関与しているとされて来た。

 しかし、問題はその細菌の種類だ。人によって、腸内細菌の多様性 (diversity) には、「昼と夜ほどの違い (a night-and-day difference)」があるという。その多様性に優れ、とくに「ルミノコッカス属 (Ruminococcocus bacteria)」菌が生息すると、免疫療法の効果が格段に上がることが明らかになった。
 研究は、Texas大学の Dr Jennifer Wargo らの研究チームによって実施され、その一連の研究成果は、Liverpool で開催されたイギリス国立ガン研究所主催の「Cancer Conference (ガン学会)」にて発表された。

 では、人間の健康と免疫システムに絶大な力を有し、いざとなったときには、人間の強力な味方になってくれる多様な腸内細菌を育てるには、どうすれば良いか。
 その答えは、くだものや野菜をたくさん食べること。
 
              (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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