ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

越えてはならない一線を越えた:地球の気候はもっと狂い出す? (BBC-Science & Environment, October 24, 2016)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/F26D/production/_92016026_nasa3.jpg

  勉学、スポーツに限らず、何事をするに付け、人には努力して越えなければならない「benchmark (水準)」がある。しかし、これとは逆に、極力自制し、越えてはならない「threshold (閾,しきい)」もある。
 
 温室効果ガス CO2 の排出量についても、越えてはならない閾値があった。それが400 ppm。これを越えると地球の温暖化は加速、暴走し、今後何世代にもわたって、気候変動が続くとされて来た。
 ところが、ハワイの「Mauna Loa (マウナ・ロア)」の大気モニタリングセンター「マウナ・ロア観測所」は、ついに大気中の CO2 濃度が 400 ppmを突破したと発表した。

 この数年、世界各国が協力して CO2 排出量の削減に努力し、そのお陰で、何とかCO2 濃度の上昇が抑えられてきた。しかし、今年 2016年、なぜ、越えてはならない壁を越えてしまったのか。
 「The World Meteorological Organisation, WMO (世界気象機関)」によると、その原因は、強烈なエルニーニョ現象 (El Niño) にあると言う。

"That's because the drought conditions in tropical regions produced by El Niño meant that was less able to absorb CO2. There were also extra emissions from fires, sparkled by the drier conditions."
[ エルニーニョによって熱帯地域が乾燥し、これまで CO2 を吸収してくれた植物が枯れてしまったことが原因。さらに、大地の乾燥が火災を巻き起こし、CO2 の排出に拍車を掛けた。]

 また、「WHO 温室ガス年報 (The annual Greenhouse Gas Bulletin)」では、CO2 以外の温室効果ガス「メタン (methane, CH4)」、「亜酸化窒素 (nitrous oxide, N2O)」についても分析結果が記述され、2015 年のレベルで CH4 と N2Oの排出量は、「pre-industrial era (産業革命以前の時代)」に比べて、それぞれ 2.5 倍、1.2 倍も増加したと報告する。

"Between 1990 and 2015 there was a 37% increase in radiative forcing or warming effect, caused by a build up of these substances from industrial, agricultural and domestic activities."
[ 1990 - 2015年の 25年間で、地球の温室効果を表わす「放射強制力 (radiative forcing) は37% も増加した。この原因は、産業、農業ならびに国内生産活動に伴って排出された種々の温室効果ガスにある。]

 からくも、この11月、温暖化対策のパリ協定に批准した約 200ヶ国が Morocco に集まり、次のステップに向けて動き出す。
               (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com