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食糧を生み出す「農」:これほど変革(change)の時代はあったか (BBC-Science & Environment, October 18, 2016)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/660/media/images/73331000/jpg/_73331519_wheatfieldusap.jpg

  朝、新鮮な野菜・果物とコーヒーにチーズもいいが、この時節、新米の炊きたてご飯も格別。これら全て口に入るものは、農 (farming) に携わる人々が汗を流して作った一品だ。
 しかし、農産物 (crops) つくりに精を出す仕事は、地味な別世界のこととして、子どもに限らず、大人にさえ興味をもってもらえない。

 実は、今、世界の農業の担う責務は重く、温暖化ガスの排出抑制に向けた取り組みと将来の気候変動への対応が迫られているのだ。
"The global farming sector has a big role to play in the effort to curb greenhouse gas emissions and adapting to future climate change, UN says."

  国際連合食糧農業機関 (The Food and Agriculture Organization, FAO) は「世界の食糧・農業の現状 2016年報告 (The State of Food & Agriculture 2016 report)」を発表した。
 それによると、「このまま (business as usual)」の農業では、世界中で数百万人が飢餓にさらされる危険があるという。その最大の理由は、

"The climate is changing, so agriculture must change too."
[気候が変化している。したがって農業も変わらなければならない。]
 
 さらに、農業は地球温暖化によって大変な影響を受けているが、農業それ自体が温暖化ガスを排出し、全排出量の1/5は農業に起因していることも事実である。温暖化を抑えるためにも農業は変わらなければならないのだ。
  今後進むべき農業の方向として、FAOの「Agricultural Development Economics (農業開発経済学)」部門長 Mr Ro Vossは、次の 4段階 (steps) を指摘する。

1.農作物を、暑さに強く、干ばつに耐えられる品種に変え、肥料の効率性を改善し、混農林業 (agroforestry) を推奨する。
2.森林伐採 (deforestation) と土地利用 (land-use) を見直し、温暖化ガスの抑制につなげる。
3.農産物収穫後 (post-harvest) の流通・消費過程で発生する廃棄ロスの低減化
4. 栄養バランスを取り戻す食事 (rebalancing diets) の普及活動

 ただし、どの国にとっても、農業および農産物の流通の問題を一国だけで考える時代はとっくに過ぎた。どのようにして、食文化も産業構造も違う国々が、「食」と「農」、「貿易」を互いに話し合うべきか。人類の英知 (wisdom) が試されている。
                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com