芸術 (art) は、人類の崇高な創作活動に違いない。では、いったい、それはいつから始まったのか。1つの手がかりを与えてくれる壁画が、今年5月、イベリア半島北西の海岸に面した町「Lekeitio (レケイティオ)」の Armintxe cav e(アーミントゼ洞窟) で発見された。
その洞窟は地元住民の間でよく知られていたが、奥は深く、これまで壁画を見た人はいなかった。やっとのことで洞窟の奥にたどり着くと、長さ 15m ほどの壁面いっぱいに、エッチングで馬、バイソン、山羊、ライオンなどおよそ 50 点の動物の絵が刻まれていた。
中には、体長 150cm の馬の姿もあった。
画法は、フランスのピレネー山脈 (Pyrenees) の洞窟に描かれた壁画の技法に似ることから、フランスとスペインの洞窟に住んだ「hunter-gatherers (狩猟採集民)」の 2つのグループは、互いにつながっていたものと推測されている。
なお、壁一面に動物が刻まれた時代は、今から 12,000~14,500 年前の「Palaeolithic(旧石器時代)」。生き生きとした動物の姿は、とても素人や子どもなどが描けるレベルではない。
Armintxe caveは、入り口から、壁画のある奥にたどり着くルートが困難であること、また、壁画を保存する観点から一般には公開されていない。しかし、ゆくゆくは、当局が最新のテクノロジーを駆使して、できるだけ良好な状態の壁画を公開したい考えだ。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)