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ミクロの戦い:猛毒遺伝子コードを盗み出せ! (BBC-Science & Environment, October 12, 2016)

http://ichef.bbci.co.uk/news/976/cpsprodpb/5D82/production/_91883932_z4300333-black_widow_spider-spl.jpg

  ミクロにはミクロの戦いがある。細菌 (bacteria) とて、敵がいないわけではない。昆虫やクモに寄生する共生細菌「Wolbachia (ボルバキア)」は、「bacteriophages (バクテリアファージ)」の一種のウイルス WO によって攻撃、侵略される。

 アメリカ Vanderbilt 大学の Serah & Sethe Bordenstein は、ウイルス WO のゲノムを解析し、このウイルスがクロゴケグモ (black widow spiders) から猛毒「latrotoxin (ラトロトキシン)」の遺伝子コードを盗み取っていることを突き止めた。(「Nature Communications」に詳細を発表。)

"The toxin can break down the cell membranes of eukaryotes(the domain of life including animals, plants and fungi.)
"The researchers think the virus uses latrotoxin to enter animal cells and reach the bacteria that it targets. It may also enable the virus to exit cells when it needs to."

[ 毒素ラトロトキシンは、真核生物(動物、植物、菌類を含む生命体領域)の細胞膜を破壊してしまう。]
[ 研究者らは、ウイルス WO がこの毒素を使って動物の細胞膜に侵入し、細胞膜内の細菌に感染していると見る。また、細胞から抜け出るときにも、この毒を役立ているようだ。]

 これまで、ウイルスは、侵入する細菌の遺伝子情報を盗んで、その内部に感染すると考えられて来た。しかし、実は、ウイルスが、クロゴケグモの猛毒の遺伝子コードを自分の中に取り込んで、細菌に感染していたのだ。その裏技に脱帽。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com