男と女の汗臭さ:それはTシャツ素材の違い? (BBC-Mgazine, August 31, 2016)
人間の汗 (sweat) には臭いがない。しかし、運動した後では、汗の臭いが気になる。素材がポリエステル (polyester) のTシャツは、コットンやウールなどの天然素材に比べて、汗臭さがひどくなる。
それは、なぜか。BBC の「Trust Me, I'm A Doctor」を担当する Ms Gabriel Westonが、その謎を追った。
そもそも汗の臭いは、バクテリアが「armpits (脇の下)」や「groins (股間)」から分泌される「oily sweat (汗の油性分)」に棲み着いて、つくり出したもの。
Manchester 大学の Andrew McBain 教授らが、ボランティアの脇の下から採取したサンプルを分析し、300 種のバクテリアを確認している。
中でも、突出して多いのは、体臭 (body odour) の原因とされる「Staphylococci (ブドウ球菌属)」と、強烈な悪臭を放つ「Corynebacteria (コリネバクテリウム属)」だった。
なお、「Staphylococci」は女性に多く、「Corynebacteria」は男性に多い傾向があったという。
しかし、着用した運動着の素材の違い (天然、合成繊維の別) によって、バクテリアの発生量が変わることはなかった。
それでは、合成繊維 (synthetic fibres) に汗臭さが強いのはなぜか。
カナダ Alberta 大学 Dr Rachel McQueen の研究によると、その原因は繊維の組成(make-up) と物性 (behaviour) の違いに行き着く。
コットンのような天然素材は、水分 (moisture) はもちろんのこと、バクテリアが生成した「臭い化合物 (smelly compounds)」まで吸収する。これに対して、合成繊維は、汗の中の「oily soil (油性分泌物)」を取り込む。これはバクテリアの大好物だ。
さらに、ベルギー Ghent 大学の Nico Boen 教授らの発見は、だめ押しの一撃だ。
極めつきの汗臭さを発生させるバクテリア「Micrococcus (マイクロコッカス属)」が、天然素材に比べて、合成繊維では、はるかに勢いよく繁殖することを突き止めたのだ。
さて、あなたは、それでもポリエステル派ですか?
(写真は添付のBBC Newsから引用。)