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うつ(鬱)病の原因をついに発見:治療に革命が起こるか? (BBC-Health, August 24, 2016)

 

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 「depression (うつ病)」に苦しむ患者は、日本で100万人を越え、世界では 3億 5千万人にのぼる。その原因は「まだ、よくわかっていない」が定説。それでも、医師は「抗うつ薬 (anti-depressant drugs)」の投与や「認知行動療法 (cognitive behavioural therapy)」などの「心理療法 (psychological treatments)」による治療を繰り返してきた。しかし、うつ病の多くは、なかなか改善しない。

 うつ病の原因は、何なのか。
 Cambridge大学の Ed Bullmore 教授らは、ついに、「depression (うつ病)」の原因をつきとめた。その発見は、過去20年間における精神医学上の大発見と称えられている。

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 Bullmore 教授によると、うつ病は、「関節リウマチ (rheumatoid arthritis)」と同様に、炎症性自己免疫疾患の一種ということになる。
 「炎症性化学物質 (inflammatory chemicals)」が脳内に侵入し、体の「免疫システム(immune system)」が過剰に反応しているのだ。その証拠に、「炎症性マーカー(inflammation marker)」とされる CRP 血液検査値が、うつ病患者の場合、正常値の数十倍にはね上がっている。このため、心の状態をコントロールする神経伝達物質セロトニン (serotonin)」の生成が妨げられ、ものごとを「negative ways (ネガティブな方向)」で考えてしまうのだ。
 
 そこで、うつ病患者に、抗炎症薬 (anti-inflammatory drugs) を投与するなど、「免疫介入 (immune interventions)」の治療を行なった結果、脳内の神経経路 (brain pathways)が大幅に修復され、うつ状態は改善に向かったという。

 Cambridge大学の大発見は、うつ病に苦しむ多くの人が待ち望んだ朗報だ。この治療法が一刻でも早く、日本で実施されることを心から願いたい。
                               
                   (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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