「Strike while the iron is hot. (鉄は熱いうちに打て)」の原型は、13世紀から諺(proverbs)として使われているが、「雑草は暑いうちに抜き取れ」も真なり、とガーデナー (gardeners) は知っている。日照りが続いて、土壌が乾燥し、柔らかくなると、さすがの雑草も、いとも簡単に抜き取れるのだ。その後、放って置けば、枯れてしまう。
しかし、雑草取りに熱中し過ぎると、脱水症 (dehydration) や熱中症 (heat stroke)のリスクが増す。
これまでの研究によると、水分を摂らずに長時間労働したり、激しい運動を続けて、体重 (body mass) が 2% 減少すると、体調に支障を来すとされる。
それでは、ごく日常の生活 (day-to-day life) では、どれ位の水分が失われたら、体に変化が現われるのだろうか。
Wales の Swansea 大学 David Benton 教授らの研究チームは、被験者 (participants) に室温 30℃ の部屋に4時間座ってもらい、実験の開始前と終了後の被験者の能力(abilities)を比較した。
"Roughly 60% of our body is made up of water, and this level is continually fluctuating, largely due to water loss through urine and sweat."
[ 人間の体の約 60% は水でできている。しかし、その比率は、主に汗や尿として水分量が失われるため、常に変動している。]
ところが、脱水 (dehydration) によって、たったの 0.6% の水分が失われただけで、人の記憶力 (memory)、注意力 (attention)、それに心の状態 (mood) までが、重大な影響(noticeable effects) を受けることが分かったのだ。体重 0.6% の水分量とは、体重 60kgの人の場合、およそ缶ビール (350ml)1本分に相当する。
したがって、暑い日が続く夏の季節には、常に水分を補給することが、何よりも大切。とくに、子どもは脱水のスピードがはやく、自分でも気づきにくいので、大人の注意が必要だ。
なお、Benton 教授らの論文 (article) は、アメリカの医学雑誌「Clinical Nutrition (臨床栄養学)」に発表された。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)