人が110年も生きると大騒ぎになるが、上には上がいるものだ。二枚貝でニックネーム「Ming」君の年齢は 507歳。脊椎動物 (vertebrate) でも「Greenland shark (ニシオンデンザメ)」は約400年も生きることが分かった。
Greenland shark は北大西洋の冷たく、深い海域に、のんびりと泳ぎ回る鮫の仲間だ。一年でたった 1 cmしか生長しないが、体長 5mに達することもある。
一般に、魚の年齢は、背骨 (back bones) の石灰化組織 (calcified tissue) や耳石 (otoliths)の成長層によって判定される。しかし、Greenland shark は、その部位が軟質であるため、これまで、この鮫の年齢を測定することは不可能と考えられてきた。
Copenhagen大学の Julius Nielsen らの研究チームは、鮫の目のレンズに着目した。Greenland shark 目のレンズには、「代謝が不活性なタンパク質 metabolically inert proteins)」が含まれていて、子どものときに一度形成されると、一生変わらない。
Nielsen氏らはこれを取り出し、「radiocarbon dating (放射性炭素年代測定法)」によって、レンズ形成時の年代を分析した。その結果、ある Greenland shark のメスの年齢は 392 ± 120。推定年齢およそ400歳であることが判明した。
"The shark's levers were once used for machine oil, and they were killed in great numbers before a synthetic alternatives was found the demand fell."
[ かって、Greenland shark の肝臓が機械油として利用されたため、その合成油が製造さされて、鮫の需要が落ち込むまでは、大量に捕獲、殺戮された。]
しかし、Greenland shark のメスが成熟し、子どもが生めるようになるまでには150年もかかる。その間に、捕獲されると、子孫が残せなくなってしまうという。
人類は、深い海の中を、のんびり、ゆったりと生活している Greenland shark に対し、ずいぶんと罪なことをしたものだ。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)