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酒だ、酒だ、ヨーホッホー:「星の王子さま」で酒盛りだ! (BBC-News, August 5, 2016)

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 戦後、日本の社会がようやく一息ついた頃、どんな小さな田舎の町にも、子どもがあふれていた。男たちは現金収入を得るため、朝早くから家を出て、日雇い労働の仕事に向かった。そして、日が暮れると、その日のわずかな手間賃を手にした男たちは、酒屋の店先に立った。透明な酒は、薄汚れた四角い木の升 (ます) に、あふれんばかりに注がれて手渡された。升の角(かど)には、真っ白な、一つまみの塩が乗っていた。日焼けした男たちは、それを少しだけ、なめては、何とも言えない、喜びに満ちた顔をこしらえ、のどをならして升酒をあおった。貧しい、その日暮らしの男たちにとって、それが何より楽しみだったのだ。

 さて、イギリスの酒場と言えば、パブ (pub)。「pub」は「public house」の省略形だ。しかし、16世紀後半、public house とは「公共の建物」すなわち「社交場」を意味したのだ。その後、およそ 1 世紀の間に語義が変化し、酒好きの人には「居酒屋」を指すようになった。

 居酒屋をアメリカ式に「bar」と呼ぶか、イギリス式に「pub」と呼ぶかと迷うときは、「Bar-or-Pub」か。この発音は「Baobab (バオバブ)」に似る。そうだ、「The Little Prince (星の王子さま)」に登場する不思議な木。乾燥した大地に千年以上も生きるという。

 イングランド南東「Kent (ケント州)」の海に面した町「Margate (マーゲイト)」に住むMr Andy Barrett (68歳) は、世界最小と豪語する「pub」を今月 5 日 (金) にオープンさせた。以前、「sushi bar」として利用されていた空家を改造した店で、広さは3 m × 2m。立ち飲み客で 6 人は入る。店の名前がなんと「The Little Prince (星の王子さま)」。

 

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 なお、Suffolk (サフォーク州)の「Bury St Edmund (ベリー・セント・エドマンド)」には、1990年代までギネスブックに世界最小のパブと記録された「The Nutshell (クルミの殻)」が、今でも営業を続けている。このパブの広さは 4.5 m × 2 m。立席で 20人は収容できる。創業はビクトリア時代の 1867年。店内は歴史を感じさせる写真や思い出の品で飾られ、天井には、悪魔払いのネコのミイラまでぶら下がる。

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 Kentの「The Little Prince」を「世界最小のパブ (pub)」とするには、少々問題だ。
 「North East Lincolnshire」には、店内の広さが 2 m × 2 m のパブ「The Signal Box Inn」がある。ビクトリア時代に鉄道の「signal box (信号扱い所)」として利用された小さな建物だ。これでも、店内には 4~6人は楽に座れるスペースがあるという。

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 居酒屋は、ちっちゃい方が、「cosy (居心地が良い)」のだろうか。


                   (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com