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ヒロシのWorld NEWS

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隠しておきたい!:シェールガスで「気管支ぜんそく」多発 (BBC-Health, July 19, 2016)

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 あれは、平成の「大本営」発表だったろうか。「直ちに健康に影響が出るものではない」とは、2011年 3月の福島第一原発事故後、ずいぶんと聞かされたものだ。

 同じような言葉が、アメリカやイギリス、そして日本でも再度聞かれるようになった。またも、原発放射線漏れや汚染のことかと思いきや、そうではない。今度は、シェールガス目当ての「Fracking (フラッキング)」で漏れたメタンガス等のことだ。

"Fracking, or hydraulic fracturing, involves drilling down miles underground and blasting the shale rock with a high-pressure water mixture to release gas trapped inside."

[ フラッキング、またの名、水圧破砕法とは、地下数千メートルまでボーリングし、その後、天然ガスを包蔵するシェール (頁岩) 層に、水、砂、化学物質の混合液を高圧で送り込み、地層内に無数の亀裂 (fissures) を作って、天然ガスの回収率を高める方法だ。]

 一言で言えば、硬い岩盤をグチャグチャにして、石油やガスの通りをよくする方法だ。

http://ichef.bbci.co.uk/news/872/media/images/65309000/gif/_65309507_shale_gas_extraction464.gif


 当然のことながら、周辺の地層は不安定になり、また地下からのガス漏れをゼロにすることは不可能。アメリカでは早くから環境汚染や健康に対するリスクが指摘されていた。
 しかし、石油業界のロビー活動 (lobbying) が功を奏し、

"The US has already pushed ahead with fracking, which is now a big industry."
[ アメリカは、(シェールガス開発のために)強引にフラッキングを進め、今や、一大産業となった。]

 シェールガスは、シェールガス革命とまで、もてはやされ、アメリカの石油業界に膨大な利益をもたらした。
 とくに、アメリカ「Pennsylvania (ペンシルべニア州)」では、この 10数年間で 6,000本を越えるボールング井 (せい) が掘削され、「小規模の地震 (earth tremors)」を伴うフラッキングが繰り返されてきた。 

 ところで、「The National Institute of Health (アメリカ国立衛生研究所)」は、ようやく重い腰を上げ、Pennsylvaniaで多発している「asthma (気管支ぜんそく)」が、フラッキング(あるいはシェールガス採掘事業)に関連しているのか、調査に乗り出した。
 なお、調査に当たったのは、Johns-Hopkins(ジョンズ・ホプキンス)大学の研究者だ。過去 6 年間の電子カルテ (electronic health records) を分析した結果、シェールガス井周辺に住む住民の気管支ぜんそく罹患率は、他の地域に比べて 1.5~4 倍も高かった。
                                      
 この BBC 記事とは別なドキュメンタリー報告によると、アメリカではシェールガス井から地表に漏れ出すガスをサンプル採取、または監視し、そのデータを当局に報告する一連の業務は、全て、企業側にゆだねられている。データは研究者の分析結果と異なることが多いという。

 さらに、次の「Public Health England (英国公衆衛生庁)」の見解にも驚く。

"The risks to public health from exposure to emissions from shale gas extinction are low if operations are properly run and regulated."

[ フラッキング作業が、適切な管理の下で、適切に実施されるならば、シェールガス井から漏れ出すガスで健康が損なわれるリスクは低い。]

 このイギリス政府の姿勢は、「直ちに健康に影響が出るものではない」と大差がない。しかし、これまで、どの国でも、住民に対して、その「適切な管理」、「適切な操業」が守られたことは、一度もなかったのだ。ここでは、「適切 (properly)」の文字を「ヒツジの皮」に仕立てて使用しているが、都合の悪いデータ、情報は、いつも隠されて来たことを忘れてはいけない。

                (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com