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「愚かものの金」掘り:海を渡ったドイツ人のふんばり! (BBC-News, June 12, 2016)

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 イングランド北西部「Cumbria (カンブリア州)」の「The lake District National Park(湖水地方国立公園)」は、山と湖の観光名所だ。その南側にそびえる標高 803mの「The Old Man of Coniston」の麓 (ふもと) に、小さな村「Coniston (コニストン)」があり、また、その一帯 (57 hectares) にわたって「Coniston Mines (コニストン鉱山)」の廃坑が幾つも点在する。

 Coniston Mines は、かって古代ローマ人が銅を採掘した鉱山とされるが、それ以前に、ケルト系の「Ancient Briton (古代ブリトン人)」がこの場所を発見したとも伝えられる。
 ローマ人がイングランドを去った後、しばらく鉱山は放棄された。

 しかし、エリザベス 1 世 (Queen Elizabeth I  [ 1533-1603 ])」の命によって、ドイツから鉱山技師 Mr Daniel Houghstetter が Coniston に招かれて、銅の採掘が再開された。ところが、この地は山間 (やまあい) の過疎地。鉱山労働者を集めるのに苦慮した Mr Houghstette rは、母国ドイツから労働者を募 (つの) って、鉱山の復活に努めたという。
 
 海を渡って Coniston にたどり着いたドイツ人は、地元住民から「Dutchmen」とさげすまされながらも、この地で働き、結婚し、一生を終えた。

 鉱山で採掘された鉱脈は、「Chalcopyrite (黄銅鉱)」。素人 (しろうと) 目には、一見して、金鉱石と見間違えるので、「Fool's gold (愚かものの金)」とも呼ばれる。原鉱はPenny Rigg Mill 等で選鉱され、精錬されて銅になり、16 世紀、武器 (weapons)、貨幣(coins)、船体 (hulls of ships) に使われた。さらに 19 世紀には鉱山開発が最盛期を迎えて、坑口 (adits) から深さ 250 ft (約 440 m) まで掘り進み、約 600 人が地下の坑内労働に従事した。

 しかし、1895 年に銅の価格が急落したことが切っ掛けとなり、エリザベス 1 世が再開した鉱山も、やがて 400 年の歴史を閉じる。
          
  BBCは、その荒れ果てた鉱山の保存に、「The Heritage Lottery Fund( 英国遺産宝くじ基金)」が、£450,000 (約 7 千万円) の助成金を拠出することになったと伝える。
 
                                (写真は添付のBBC Newsから引用)

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