奇妙なことが起こった。場所は「Northallerton (ノーサラトン)」。イングランド北西部 North Yorkshire (ノース・ヨークシャー州) に位置する人口 2万人足らずの小さな町。しかし、この地は、12 世紀、スコットランドとイングランドがその主権を巡って熾烈(しれつ) な戦いを繰り広げた戦場でもある。イギリスではよく知られた歴史の町だ。
騒ぎを起こしたのは、その町の、とある牧場に飼われていた一頭の黒毛の牛。
何を思ったのか、それとも何かに怒り狂ったのか、黒毛の牛が突然、牧場の立木に向かって突進した。ところが、木には虚 (うろ) が開いていた。そこに首がスッポリはまって、牛は身動きが取れなくなった。
このため、14:35、消防士 (firefighters) が出動し、牧場の革ベルト (strops) や農業機械(farm machinery) を使って、木の虚 (うろ) に突っ込んだ牛を引っ張り出そうと試みた。
「それでも、牛の首は抜けません」。まるで、ロシアの昔話「おおきなかぶ」のイギリス版だ。牛は慌てて、暴れ出す。
そこで、牛を落ち着かせるために、専門家 (vet) が呼び出された。そして、丸のこぎり (circular saw) とチェーンソー (chainsaw) まで使って、「うんとこしょ、どっこいしょ」。
やっとのことで、牛の首が抜けた。
North Yorkshireの「Fire and Rescue Service (火災・救助サービス)」はツィッターで
"A happy ending for all."
[ すべて、うまくいった。]
と述べているとか。めでたし、めでたし!
(写真は添付のBBC Newsから引用)