でんでん虫とは「出よ出よ虫」が訛 (なま) った呼び名。その英語「snail」の語源はゲルマン語「snagel (creepの意)」にある。「かたつむり」は古くから「のろさ」の象徴として扱われたが、イギリスでは snails の頭の角 (つの) に触ると、良いことがある(縁起が良い)とも言い伝えられた。
また、平安時代の日本人は「粋(いき) [sophisticated]」だった。
かたつむりが、頭の角 (つの) をフリフリさせながらノロノロと進む姿を観察し、舞(まい)を舞っていると見た。「梁塵秘抄 (りょうじんひしょう)」に収められた今様の一首に、
舞(ま) へ舞(ま) へ蝸牛(かたつむり)
舞(ま) はぬものならば
馬の子や牛の子に蹴させてん
踏み破(わ) らせてん
実(まこと) に美しく舞(ま)うたらば
華(はな) の園まで遊ばせん
G. Bownas and A. Thwaiteは、その一首の一部を次のように翻訳する。
Dance, dance, little snail!
If you do not dance,
I shall have you kicked and crushed
By a pony, by a calf.
さて、イギリス Sussex 大学の研究チームは、かたつむりの頭に2つの脳細胞 (brain cells) が存在することを突き止めた。
かたつむりの頭に電極 (electrodes) を埋め込んで、かたつむりの目の前にレタス(lettuce) を置いたところ、一方の脳細胞は「お腹が空いた」と反応し、他方の脳細胞は「食べ物がそこにある」と認識した。
これによって、動物の脳が、複雑な「意志決定作業 (decision-making tasks)」をどのように最適化し、行動に移しているかか明らかになったという。また、この脳細胞システムは、意志決定後、動作に必要なエネルギーをコントロールする上で有益であることも分かった。
これらの結果は、ロボットの人工知能 (robot brains) の開発設計に役立つものと期待されている。なお、研究内容の詳細は科学雑誌「Nature Communications」に発表された。
(写真は添付のBBC Newsから引用)