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でんでん虫のかたつむり:おつむ(頭)の中に脳2つ (BBC-News, June 3, 2016)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/DB3F/production/_89872165_89872161.jpg

 でんでん虫とは「出よ出よ虫」が訛 (なま) った呼び名。その英語「snail」の語源はゲルマン語「snagel (creepの意)」にある。「かたつむり」は古くから「のろさ」の象徴として扱われたが、イギリスでは snails の頭の角 (つの) に触ると、良いことがある(縁起が良い)とも言い伝えられた。

 また、平安時代の日本人は「粋(いき) [sophisticated]」だった。
 かたつむりが、頭の角 (つの) をフリフリさせながらノロノロと進む姿を観察し、舞(まい)を舞っていると見た。「梁塵秘抄 (りょうじんひしょう)」に収められた今様の一首に、

 舞(ま) へ舞(ま) へ蝸牛(かたつむり)
 舞(ま) はぬものならば
 馬の子や牛の子に蹴させてん
 踏み破(わ) らせてん
 実(まこと) に美しく舞(ま)うたらば
 華(はな) の園まで遊ばせん

 G. Bownas and A. Thwaiteは、その一首の一部を次のように翻訳する。

 Dance, dance, little snail!
    If you do not dance,
    I shall have you kicked and crushed
    By a pony, by a calf. 

 さて、イギリス Sussex 大学の研究チームは、かたつむりの頭に2つの脳細胞 (brain cells) が存在することを突き止めた。
 かたつむりの頭に電極 (electrodes) を埋め込んで、かたつむりの目の前にレタス(lettuce) を置いたところ、一方の脳細胞は「お腹が空いた」と反応し、他方の脳細胞は「食べ物がそこにある」と認識した。

 これによって、動物の脳が、複雑な「意志決定作業 (decision-making tasks)」をどのように最適化し、行動に移しているかか明らかになったという。また、この脳細胞システムは、意志決定後、動作に必要なエネルギーをコントロールする上で有益であることも分かった。
 これらの結果は、ロボットの人工知能 (robot brains) の開発設計に役立つものと期待されている。なお、研究内容の詳細は科学雑誌「Nature Communications」に発表された。
                                (写真は添付のBBC Newsから引用)

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