約2,000年前の木製ドキュメント発掘:古代ローマのロンドン現わる (BBC-News, June 1, 2016)
泥に埋もれたローマ時代のドキュメント (document) が、400枚も発掘された。それも、ロンドンのど真ん中で。
場所は「Walblook River (ウォルブルック川)」に近い「Bloomberg's new headquarters」の建設基礎工事現場。地面を掘削中 (during an excavation)に、700件以上の埋蔵品 (artefacts) がビチャビチャの泥 (soaking mud) に埋まっているのが見つかったのだ。
その中に、400枚を超える木製の文書記録 (document) が含まれていて、最も古いものでは「8 January AD57」の日付があった。
板の表面に「黒っぽい密ろう (blackened beeswax)」を塗り、その上から尖筆(styluses) で文字を彫り込んでいた。
「The Museum of London Archaeology, MOLA (ロンドン考古学博物館)」の調査の結果、木板が発見された地層の年代は AD 43-53。この時代は、古代ローマがロンドンを統治した最初の 10年間に当たる。
それは、「Coranelius Tacitus (コルネウス・タキトゥス)」の「Anals (年代記)」に初出する「London」よりも約 50年も前のこと。
木板の一枚には、ラテン語 (Latin) で「Londonio Mongontius」すなわち「in London, to Mongonitus (ロンドンにて、モンゴンティウスへ)」と書かれていた。
また、「ABCDIFGHIKLMNOPQRST」とアルファベットの一部を書き込んだ木板も見つかり、これは「writing practice (書き方の練習)」か「a demonstration of literacy or better forms (おさらいの手本)」として使われたようだ。
さらに、商取引の文書が記録された木板もあった。
"The words of the people who lived, worked, traded with and administrated the new city."
[ これらの文書は,新しい都市に住み、働き、商いをし、統治した、かっての古代ローマ時代のイギリス人 (Roman Britons) の言葉。]
木板文書の翻訳を担当した Dr Roger Tomlin は、「自分の仕事は、その頃の人々の話に聞き耳を立てることができる恩恵 (privilege) だった」と、その興奮を隠せない。
(写真は添付のBBC Newsから引用)