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近寄ると引っ掻くわよ!:ピカピカ車がクジャク(孔雀)にボロボロ (BBC-News, April 26, 2016)

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 ここはイングランド北西部「County Durham(ダラム)」の片田舎「Ushaw Moor (アショー・ムーア)」。この village の名前はスカンジナビア語 (北方ゲルマン語) に由来し、「オオカミの森の近くの原野」の意味だ。今から 56 年前の 1960 年まで、100年以上にわたって、石炭が盛んに掘り出された場所でもある。

 静かで平和な、この village に突然、甲高い鳴き声が、夜昼となく響き渡るようになったのは 6 年前のこと。それ以来、住民は、おいそれと手出しができない「nuisances (厄介もの)」に頭を痛めている。正体はクジャク (孔雀) だった。その数、およそ 30 羽。繁殖期を迎えたせいか、クジャクたちは住宅の屋根に登り、夜どおし、メス (peahens) とオス (peacocks) のラブコールを交わし続ける。

 もちろん、クジャクが、辺り構わず「用を足す」分量も相当なもの。とくに、車のボデーの上にやられると大変だ。さらに、住民を悩ませているのは「ピカピカ車」を攻撃すること。その鋭い爪で引っ掻き、固いくちばしで車をしつこく突っつく。どうやら、車体に映った自分の姿を、縄張りに入った敵と勘違いして、攻撃を繰り返すらしいのだ。お陰で、車はボロボロにされる。

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 クジャクは、堂々と歩き、広げた優美な羽が特徴。その上、虫や毒蛇を食べてくれることから、昔から、権力・栄華の象徴とされ、王家の紋章にも使われて来た。

 しかし、「Ushaw Moor」のクジャクは「野鳥(wild birds)」ではない。したがって、悪さをし、騒音を発するからと言って、軽々に「野生生物 (wild life)」を対象にした「The Environmental Protection Act 1990 (環境保護法1990)」は適用できない。分類上は、「飼い慣らされた鳥 (domestic birds)」が野生化 (feral) したものであり、しかも所有者は不在として扱われる。

  住民は、この「厄介もの」を何とかしてくれ、と陳情書 (petition) を「Durham County Council (ダラム州議会)」に提出したという。

 さて、この「クジャク訴訟」を、あっぱれ、みごとに裁きを下せる名判事はイギリスにいるだろうか。

                              (写真は添付のBBC Newsから引用)

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