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永遠の少年ピーターパン:これをひとりじめにできた人 (BBC-News, April 6, 2016)

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 Wendy (ウェンディ) にとって、それは夢の中のように思われた。だって、夜ふけに窓から、とっても小さな妖精の女の子 Tinker Bell (ティンカー・ベル) と一緒にやって来て、笛をふいてくれる不思議な少年。そして妖精の粉をふりかけると、星いっぱいの夜空に飛んでいけた。

 そう、空を自由に飛び回り、「決して大人になることがない (the boy who would never grow up) 」と聞けば、J.M. Barrie の作品に登場する Peter Pan (ピーター・パン)。

 小説家で劇作家のBarrieは1860年、スコットランド東部 Angus (アンガス) の小さな町kirriemuir (キリィムール)で生まれた。13 歳のとき、一家はスコットランド北部のDumfries (ダムフリーズ) に引っ越す。その町で、ギリシャ復古様式で建てられた「Moat Brae」は、多感な少年にとって「魔法の国 (enchanted land)」。そこで遊んだ経験がもとになって「Peter Pan」が誕生する。
 Barrie の作品に、Peter Pan が初めて登場するのは「The Little White Bird (1902)」。その後に発表した劇「Peter Pan (1904)」を物語化して、小説「Peter Pan and Wendy (ピーターパンとウェンディ)」を 1991 年に出版する。これが大当たりした。

 そして、翌 1912 年、「The Time」の新聞にこんな記事が載った。

"There is a surprise in store for the children who got to Kensington Gardens to feed the ducks in the Serpentine this morning ..."
[ 今朝、ケンジントン・ガーデンズに出かけて、サーペンタイン池のアヒルに餌をやりたい子どもたち諸君。君たちにサプライズが待っている・・・]

 実は、密かに、Barrie が著名な彫刻家 Sir Georg Frampton に依頼し、その公園の一角に「五月際の贈り物 (A May-day gift)」を建造していたのだ。そう、樹の切り株の上で、口に笛をくわえて立つピーターパンの像だ。切り株の周りには、妖精やネズミ、リスの姿が見える。それ以来、ピーターパン像はケンジントン・ガーデンズのシンボル的存在となった。

 1920年、実物のピーターパン像を少し小型にした「bronze replica (青銅製のレプリカ)」が鋳造され、これを、ある一家が 100 年近くもの間、ずうっと側に置いてきた。
 ところが、訳あって、この Peter Pan を手放すことに。
 今週の水曜日 (4月6日) に Edinburgh の「Lyon and Turnbull」でオークションが開かれ、この Peter Pan を長年、手に入れたいと望んでいた人のもとへと渡った。落札額は£60,000(1千万円弱)とか。
                               (写真は添付のBBC Newsから引用)

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