いつ頃から、宗教や神の概念が人の心に芽生えたのかは、定かではない。原始的な宗教は数万年前に遡るとする説もある。いづれにせよ、絶対的な力を有する「超自然的な何か」が人々の口にのぼり、それを利用する人が現われたことは確かなようだ。
しかし、多くの日本人にとって、神仏との関係は冠婚葬祭を中心にしたものであって、日常の繋がりはごく緩やかなレベルにとどまる。
英語の「religion」が「宗教」の意味で使われ始めたのは1300年代。その語源はラテン語「religare」に由来し、「to bind strongly to one's faith (己の信仰に固く縛る)」の意だ。
さて、スコットランドの調査会社「ScotCen Social Research」が実施した「The 2015 Scottish Social Attitude survey (スコットランド人の社会行動調査2015年版)の結果が発表された。この調査は、ランダムに抽出した住人1,288 名を対象に、2015 年7 月から2016 年 1 月にかけて行なわれ、社会、政治、道徳に関する行動意識が取り上げられた。
その調査結果によると、スコットランド人の宗教観が、この 15 年ほどで随分変わったという。初めてこの調査が開始された 1999 年当時は、「宗教を待たない人 (not religious)」の割合は 40 %であったが、今回の調査では、その値が 52 %に増加した。
残る 48%の、教会等に通う信者の住民比率を宗派別にまとめると、次のようになる。
・Church of Scotland (スコットランド教会) :20%
・Roman Catholic (ローマ・カトリック教会) :15%
・Other Christian (その他のキリスト教会分派) :11%
・Non-Christians (キリスト教以外の宗教) : 2%
なんと、スコットランド住民の 2/3 (66%)が、教会の催しものにも「never or practically never (全くあるいは実質的に全く)」参加しなくなったのだ。すなわち、「Default Religion (宗教放棄)」だ。人々は、「信仰と強く結びついた生き方」から、「宗教や教会から距離を置いて、その規範に縛られることなく、自由気ままに生きる道を選び始めたようだ。
(写真は添付のBBC Newsから引用)