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肉食が人の顔を変えた:進化の秘密 (BBC-Science & Environment, March 9, 2016)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/904/cpsprodpb/12846/production/_88664857_c0139577-homo_habilis_hunting,_artwork-spl.jpg

 人類の顔の進化のなぞが明かされた。
 チンパンジー (chimpanzees) に似た原人の顔が、現代人 (Homo sapience) の顔に変化したのは、人類の祖先が、石器を駆使して、肉をたくさん食べるようになったからだ。

 このような新説の進化論が、Harvard 大学の Daniel Lieberman 教授と Dr Katherin Zink によって、「Nature」に発表された。
 
 人類の遠い祖先が石器 (stone tools) を使い始めたのは、およそ 330 万年前のこと。それ以前、初期の人類の仲間「ヒト亜科 (early hominins)」が口にするものと言えば、そのほとんどは、「噛み応えのある植物性 (tough plant food)」であった。
 その様子は、約 650 万年前に、人類とは別の進化の道をたどった野生のチンパンジーに見ることができる。チンパンジーの食事の主体は植物性で、1 日の半分は、口を動かしている。

 これに対して、人類の祖先は、発明した石器で堅い木の実を割って取り出し、「粉にすること (pounding)」を知った。
 また、「ヒト亜科の大臼歯 (hominin molars)」は、本来、肉食に向いていなかった。その奥歯では、生肉 (raw meat) を引き裂くのに都合が悪い。石器の発明以前、人類の祖先は、肉を十分に摂れなかったと考えられる。
 ところが、石器を用いると、肉は小さく切って、いくらでも食べることができる。そのお陰で、食事の量が少なくとも、高カロリーの肉を食べて、生き延びられるようになった。
 
 その結果、あごの骨や歯の形を含む「そしゃく器官 (chewing apparatus)」に変化が起き出す。あごの「そしゃく筋 (chewing muscle)」も「そしゃく力 (masticatory force)」も減退し、大腸や歯は小さくて済むように、進化する。
 この進化は、やがて、人類の声の出し方や脳の大きさまで変え、石器が使用されて約130万年後の、およそ 200 万年前には、それまでより脳も体も大きな「ホモ・エレクトス (Homo erectus)」の誕生を迎えることにつながった。

 人類の祖先が、肉を焼いて食べるようになったのは、約50万年前。それ以前に、「ヒト属 (Homo genus)」の祖先の顔は、すでにチンパンジー型の顔とは明らかに違う形に進化していたことになる。

                                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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