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肥満:「記憶力」の弱い人、「ながら」で食べる人に付きまとう (BBC-Health, February 26, 2016)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/976/cpsprodpb/41A5/production/_88450861_thinkstockphotos-91460574.jpg

 肥満の原因は何か。食べ過ぎ、運動不足、糖分・高カロリー食品の摂り過ぎ等々が挙げられる。しかし、ここに「もう一つ」の原因が明らかになった。それは、「食べたことの記憶 (episodic memory)」。

 「Quarterly Journal of Experimental Psychology」に掲載された論文は、大切なことを教えてくれる。
 これまでの、ラット (rats) を使った研究で、ラットが太って、胴回りサイズが大きくなると、その記憶力は低下することが知られていた。この結果は、人間にも当てはまるだろうか。

 Cambridge 大学の Dr Lucy Cheke らの研究チームは、「体格指数 (Body Mass Index, BMI)」が 18 - 51 の範囲で、痩せ気味の人から超肥満の人までを含む被験者 50名に協力してもらい、記憶力テストを実施した。頭の中の「宝探し (treasure hunt)」のようなテストだという。
 被験者は、コンピュータの前に座り、スクリーンに映し出される品々を頭の中にしまい込む (hide)。その後、「エピソード記憶 (episodic memory)」すなわち「何を、いつ、どんなシーンで」しまい込んだかについて聞かれ、これに答えるという内容だ。

 この記憶力テストの成績を集計すると、肥満の人は、痩せ気味の人に比べて、成績が 15 %も低かった。これで、BMI 値が高い人ほど、記憶力が曖昧(あいまい)になることがはっきりした。

"But if they have a less strong memory of a recent meals, with a less strong impact in the mind, then they may have less ability to regulate how much they eat later on."
"Hunger hormones play a huge role in how much we eat, but it is already recognized that our minds have a key role too."
"People watching TV while they have their dinner have been shown to eat more or feel hungrier sooner."
"And those with amnesia will have repeated meals in a short period of time."

[ ところで、さっき食べたものをはっきり記憶できず、心に強く意識することもできなければ、恐らく、食べ続ける量を十分にコントロールできなくなるはず。]
[ (グレリンやレプチンなどの)飢餓ホルモンが、食べる量を決めるのに重要な役割を果たしている。しかし、そこには、「心の働き」がカギとなっていることもわかっている。]
[ テレビを観ながら夕食を摂ると、食べ過ぎるか、後ですぐにお腹がすいてしまうことは、ご承知のとおり。]
[ そんなわけで、健忘症疾患者は、時間を置かずに、何度も食事を摂ってしまうのだ。]

 音楽を聞きながらのお茶や食事は楽しい。しかし、テレビ映画を観ながら食事をすると、せっかくの料理も、会話も楽しむ余裕がなくなり、胃袋に住み着くピロリン菌だけが喜んでしまう。

                                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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