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抗うつ薬:その恐ろしい処方箋 (BBC-News, February 15, 2016)

http://ichef.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/072D/production/_88273810_21b413cf-8f34-4d39-aab5-3840ad76f06a.png

 いやな気分、気の晴れない気分は誰にでもある。しかし、それが、限界を超えると鬱(depression) になる。日本のうつ病患者は約 100 万人と推定され、メンタル系のクリニックの数も増している。
 ところが、一口で「うつ病」と言っても、色々なタイプのうつ病があり、その病気の明確な原因も、確固たる治療法も十分に明らかにされているとは言いがたいのが現状だ。

 「抗うつ薬 (Anti-depressants)」の服用には副作用のリスクが伴う。日本では、習慣性の強い、脳に直接作用する薬を安易に処方する診断が横行している、との声も強い。
 さらに、「自己判断で薬を止めると、症状が悪化する」などと、医師が患者を脅すこともあるという。これでは、「うつ」を憂いて、医師の診断を受けたら最後、体がボロボロにされてしまうようなものだ。

 「The North Wales Department of Psychological Medicine (北ウェールズの精神医学局)」の局長 (director) Dr David Healy は、次のように注意を呼びかける。

"GPs are 'all but forcing' pills on patients who do not think believe they should have them."
[ 患者自身は「薬を飲むほどのことでない」と思っていても、ほとんどの開業医師は、むりやり「抗うつ薬」を処方している。]

 Dr Healy によると、医師は、製薬業界に対して、抗うつ薬に関する詳細なデータをもっと要求し、それに基づいて治療に当たるべきだと主張する。
 今、「本当にだめな人間 (really failing people)」は、医者 (doctors) である、とも述べる。 抗うつ薬は、本来、「慎重を期する薬 (tricky pills)」であり、その処方に際しては、患者に十分なリスクの説明が必要なはず。しかし、

"If I give you an anti-depressant for instance and things go wrong. I can always blame it on your illness rather than on the pill or anything that I've done."

[ たとえば、私が抗うつ薬をあなたに処方して、あなたの鬱の症状が悪化したとしても、その理由は、あなたの病気のせいであって、薬のせいでも、私の診断が悪いわけでもないと主張できるのだよ。]

"We're well-paid people and you'd expect us to be able to stand up to a little bit of pressure that we get from industry if we say 'wait a minute here, we want the real data on these pills', but we haven't done that."

[ 私たち医者は高給取りだ。医者が患者に、「薬を飲むのは待って」とか、抗うつ薬の実際のデータが欲しいなどと製薬業界に言おうものなら、業界は医者に圧力を掛けてくる。あなた方患者は、医者はそんな圧力に負けるはずがないと思っているかも知れないが、これまで、医者が業界に抵抗することなどなかったのさ。]

 まさに、医師は「唯我独尊」。神に近い存在と思い上がっているのか。今、聖なる医師を期待するのは無理か。人間の命を真剣に考え得る医師がいなくなったのか。単なる健康や病気の相談者と考えるべきか、等々。問うべき項目は多い。

 一つだけ、試してみる方法がある。「医師の目」を見ることだ。医師は患者をしっかりと見つめて、説明できるかが見極めのポイントだ。
 
                                  (写真は添付のBBC Newsから引用)

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