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ワン君の知能指数IQは?:ワンダフルなワン (BBC-News, February 8, 2016)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/936/cpsprodpb/F735/production/_88158236_88158235.jpg

 イヌが利口で知能レベルが高いことは、よく知られている。イヌの中でも Scottish が誇る牧羊犬「collie (コリー犬)」は、とくに頭が良い。では、「知能指数 (Intelligence Quotient)」IQ の高いイヌは、健康で長生きするのか。
 この疑問に答えるため、London  大学「The London School of Economics」の Dr Rosalind Arden は、まず collies 犬 68 匹の IQ を調べた。

"One involved finding their way to a food reward they could see but was behind a barrier - meaning they had to work out to go around the barrier rather than try to dig under it.
 
Another involved offering two plates of food and assessing if the dogs learnt to go to the one with the bigger portion, while a third task examined how many times a dogs followed a human pointing gesture."

[1.IQ テストの第1問は、見つけたらご褒美としてもらえる食べ物を探す試験。ただし、それは障害物の蔭に隠されている。つまり、イヌは障害物の地面を掘らずに、その迂回ルートを探さなければならない。
 2.次の問題では、2 皿のごちそうが用意され、一方の皿は、大盛り。さて、イヌは、その大盛りの皿に通じるルートを覚えることができるか。 
 3.第 3 の問題では、人間が発するジェスチャーの指示に、何回従ってくれるか、が試された。]

 さて、IQ テストの結果だ。一つの試験課題で、高得点を得たイヌは、他の課題でも成績が良かったという。
  この研究の目的は、イヌの IQ を測定し、「認知症 (dementia)」などの健康問題や「寿命 (lifespan)」が IQ と関連しているのか、について明らかにすること。

  その理由は以下の点にある。
"Brighter people tend to live longer." [ 頭の切れる人間は、長生きする傾向にある。]
しかし、人間の場合、健康や長生きは、IQ だけに限らず、喫煙、食事の量、飲酒、運動なども、深く関与しているものと考えられる。 
 ところが、イヌは、「basically teetotal(基本的に酒は飲まない)」。さらに、喜んで実験に参加してくれるし、被験者の条件を一定にすることも可能だ。

 また、イヌは、人間と同じように認知症に罹(かか)る点も重要だ。
"You'll find a dog that changes its social habits, it doesn't want to be petted any more, it becomes introverted and alone. They reproduce lots of the disturbances found in human dementia."
[ イヌが認知症に罹ると、周りに対する習性が変わる。もはやペットとして飼われていたいと思わなくなり、内向的で孤立するようになる。イヌは、人間の認知症患者に認められる様々な心の不安状態を再現してくれるのだ。]

  気になるのは、collies 犬の IQ と認知症、あるいは健康との関係だ。この研究で、どのような結論を得たのであろうか。Dr Arden は次のように述べるだけ。

"The discovery could have 'fair reaching implications for understanding human health and disease and canine health and disease."
[ 今回の研究結果から、人間の健康と病気ならびにイヌの健康と病気それぞれの関係を理解する上で、広範囲に及ぶ貴重な示唆が得られた。]

  これでは、研究の結論が不明だ。IQ が高くなると、認知症罹患率が低くなるのか、それとも両者に関連性は認められなかったのか、一向に埒 (らち) が明かない。ここでは言及を避けたようだ。なお、研究内容は、心理学の専門誌「Intelligence」に発表されという。
                                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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