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バナナと同じ超軽量:土星の環「Bリング」の不思議 (BBC-Earth, February 3, 2016)

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/976_549/images/live/p0/3h/dn/p03hdnbn.jpg

 土星 (Saturn) には、帽子のつばのような大きな環(わ)がある。400 年以上も前に、これを望遠鏡で初めて確認にしたのは、ガリレオ・ガリレイだ。

 太陽系の8つの惑星の中で、Jupiter (木星)、Uranus (天王星)、Neptune (海王星)にも薄い環 (faint rings) があるが、土星の環の直径は 270,000 kmと、その大きさで突出している (stand out)。環の 93% は無数の氷の粒で、残りは宇宙のチリ (dust particles)。意外にも環の厚みは、平均 20m と極めて薄く、地球からはその詳細な環の状態を観察できなかった。

 ところが、2007 年、NASA土星探査機「Cassini」が土星に接近し、その明瞭な姿を撮影することに成功した。土星の環は複数のリングで構成されていたのだ。科学者が注目したのは、「Bリング」と呼ばれる最大のリング。太陽の反射を受けると、一際(ひときわ)明るく輝くが、映像写真では暗く (opaque) 写る。隣の A リングに比べて、B リング内では氷粒子の空間密度が 10 倍も高いからだ。

  アメリカ Idaho 大学の Dr Matthew Hedman と Cornell 大学の Dr Phil Nicholsonは、「Spiral density waves(スパイラル密度波)」の構造 (structure) が、B リング内に存在する粒子の質量によってわずかに変化する物理現象を利用し、「NASA's Cassini mission」データに基づいて、土星の環の中で最大規模と確認された B リングの質量を計算した。
 その結果に驚く。何と、「表面密度 (surface mass density)」が 40-140 g/cm2。これはバナナとほぼ同じ値。詳細な研究内容は、科学雑誌「Icarus」に発表されている。
  またまた、宇宙の不思議が一つ増えた。その空間に、たくさんの物質が詰め込まれているのに、質量がそれほど増えないとは。これは、通常の物理学では説明できない。

"At present it's far from clear how regions with the same amount of material can have such different opacities."
[ 空間に含まれる物質の量が同じでも、どうして、リングの「暗さ」に差が現われるのか。まだまだ、その解明から、ほど遠いのが現状だ。]

"The rings are so magnificent and awe-inspiring, it's impossible for us to resist the mystery of how they came to be."
[ 土星の環はとてつもなくでっかく、威厳さえ感じる。このようなリングがどのようにして形成されたのか。宇宙のミステリーは人間の心を捉えて放さない。]

                                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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