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ここまで堂々とは!:偽(にせ)やせ薬 (BBC-News, February 1, 2016)

 

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/695/cpsprodpb/17840/production/_88002369_victim1.jpg

「うそ(噓)!」。噓は日本語で感動詞としても使われる。しかし、「噓のような本当の話(It's likely false, but truth.)」だが、「うそ」という言葉は、中世後期 (室町時代) までは、なかった。それまで、「偽る(真実を隠すため、ありもしないことを言う)」人はあったが、文字の上では「うそ」のない社会であった。
 その後「うそ」の同類、仲間はたくさん増えた。ごまかし、ペテン、かたり、欺き、詐欺、まやかし、たぶらかし、そして枉惑 (おうわく)。

 一方、英語の「false」はCODによると、
 not according with truth or fact. (真実または事実にそぐわない)

と説明される。その語源はラテン語「fallere」にあり、人を「欺く(deceive)」の意味だ。

 ところで、Wales 南部の「The Vale of Glamorgan (ヴェール・オブ・グラモガン)」の町「Barry (バーリィ)」に「Sculpts Extreme」という店があるそうだ。店のオーナー (owner) の名は Lee Szuchnik。これまで、オンライン (Online) と店舗販売で、インチキ「痩せ薬 (slimming tablets)」を堂々と売っていた。その薬のラベルには、

"The tablets could 'liberate fat from fat cells."
[ 本錠剤には、脂肪細胞から脂肪を遊離する働きがあります。]

これを、「英国肥満フォーラム (National Obesity Forum)」Wales 代表の Nadim Haboubi 教授は一蹴(いっしゅう)する。

"absolutely rubbish"  [まったくの、でたらめ」

つまり、ラベルは「偽広告 (fake adverts)」だ。法律によって「健康強調表示 (health claims)」が義務づけられている上、その表示は「欧州食品安全機関 (European Food Safety Authority)」の承認を得る必要がある。

 その男は、BBCの「おとり捜査員 (undercover researcher)」に、痩せ薬の成分 (ingredients) を明かしてしまう。

『実を言うと、薬の中身はただの「オレンジの苦い皮 (bitter orange peel)」さ。』

 もちろん、イギリス取引基準局 (Trading Standards) は、この男の疑惑を捜査する意向だ。

 さらに、あくどいことに、Online掲載の「before and after」の写真のモデルは、この痩せ薬など見たこともない、もちろん写真のことなど露知らない Ms Karen Dawson。後で写真のことを知って、「absolutely livid (怒り心頭)」。

 こともあろうに、図々しさはまだ続く。それは、釈明だ。
"There were labelling errors on the pots." [ 容器に貼ったラベルに間違いがあった。]

 弁明、釈明は、政治家の決まり文句、常套語だが、英語では、「言い分け」用にたくさんの言葉が用意されている。以下は、ほんの一例。

explanation, elucidation, apology, vindication, excuse, exculpation, justification

 どの「言い分け」語をつかっても、たいてい、その中身は「うそ」だ。

                                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com