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全能の神ゼウスの手?:ミステリーの正体は! (BBC-Earth, January 29, 2016)

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/976_549/images/live/p0/3g/z8/p03gz8ff.jpg

 「ふわふわと綿毛 (fluffy)」のような白い雲が、透きとおった淡い「lapis lazuli (ラピスラズリ)」の冬空にゆったりと浮かび、厳 (おごそ) かに東南のかなたへ動いてゆく。雲は、とぎれなく次から次へと続き、ゆっくり、少しずつその姿を変えながら、通り過ぎてゆく。
 翼 (つばさ) を広げた白鳥かと思うと、それがライオンの姿に変わり、つい目を離して気づいたときには、魔法使いのおばあさんの顔となっている。

 これを、心理学者 (psychologists) は「Pareidolia (パレイドリア)」と呼び、目に入った映像を見慣れたもののパターンとして知覚する「心理学的な現象 (psychological phenomena)」と説明する。
 しかし、たとえ錯覚であっても、空と雲の大パノラマをぼんやりと眺めるのは、楽しい。しばし、全てを忘れてしまう。

 さて、ポルトガルの首都リスボンから南西に約 1,000 km、モロッコの海岸から西に約 600 kmの大西洋上に、気候が穏やかなポルトガル領の「マデイラ島 (Madeira island)」が浮かぶ。
 この島でシャッターチャンスを待っていた写真家 (photographer) の Mr Rogerio Pacheco が、ある朝、ついに「神の手 (The hand of God)」を撮らえた。それは「核爆発の雲 (fireball)」のようでもあり、全能の神ゼウスが天空より地上に突き出した手のようにも見えた。

 これを気象学者 (meterologist) の Ms Asling Creevey は、次のように分析する。

"The reason the cloud appeared like this was because light from the sun caught onto a clump of cloud at a lower altitude just as it came into contact with cloud higher up."
"There are three layers of clouds, she explains. And this fireball seems to be mixing some layers. The dark features for instance, appear to clouds at a 'middle' altitude - 2,400 - 6,100m - called altostratus clouds."

[ 高度の低い空の雲に、太陽の光が当たって、まるで、その雲が上空の雲につながっているかのように見えたのよ。写真には 3 層の雲が写っているわ。爆発雲はそれらが重なったもの。たとえば、灰色の影は高度が中くらいの 2,400 ー 6,100 mの空に浮かぶ雲よ。おぼろ雲と呼ばれているわ。]

 なお、同じく気象学者の Ms Emma Sharple sによると、朝日を浴びて燃えるように輝く「ゼウスの手」は、おそらく「積雲 (cumulus clouds)」。

 あまりにも淡々と、気象学的に分析されると、せっかく「雲に見た夢」が、はかなく消えて行く。科学の光が強すぎて、夢が精気を失うのだ。

                                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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