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0.015秒で繰り出す必殺足蹴り:空手はヘビクイワシに学べ (BBC-Science & Environment, January 25, 2016)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/904/cpsprodpb/2405/production/_87912290_portugal-cb03-hawkconservancy.jpg

 世の中は広い。思いがけない生き物が、ものすごい空手の技を「隠し持っている(concealed)」ことがある。
 背は「すらりと伸び  (lanky)」、精悍な体つき。目は鋭く、悠然とした足取りで(strutting)、歩を進める。獲物 (prey) を見つけると、素早く (on sight) 攻撃に移る。敵の動きをよく観察し、その攻撃は正確無比 (accuracy)、動き (speed) はまさに「目にも留まらぬ一瞬の 0.015 秒」。そして「どう猛 (ferocity)」この上ないと来る。さらに、敵に与える足蹴りのパワーは強烈だ。これを測定したところ、体重の5-6倍に相当する195 Newton (約 20 kg) の衝撃力であった。

 もしも、これだけの運動能力 (locomotor abilities) を身につけた人間がいたら、敵なしだろう。何しろ、人間が「まばたき (blinking)」する時間は 0.15 秒。その攻撃は、相手の目に留まらないはずだ。
 これは、「サハラ以南のアフリカ (sub-Saharan Africa)」のサバンナ (savanna)に生息する「Secretary birds (ヘビクイワシ)」のことだ。

  ロンドン大学の「動物生理学者 (animal physiologist)」Dr Steve Portugal の研究は、動物の動きを、素速く動くロボットの手足や義肢 (prosthetic arms) の開発設計に役立てること。
 この度、雄のヘビクイワシ、名前は「Madeline (マドリン)」君の攻撃の動きを高速ビデオ録画で分析し、その研究結果を科学雑誌「The Current Biology」に発表した。

 ヘビクイワシは、全長約 1.4 m。空を飛翔せずに (instead of soaring the sky)、草原を歩き回って、ヘビ (snakes)、トカゲ (lizards) やネズミなどの小哺乳動物 (small mammals) を餌にする。このため研究者の Dr Portugal は少々大げさに「ninja eagles」と呼ぶそうだが、どうしてどうして、忍者どころか、空手の名人だ。

 その先祖が生き残りを懸けて「磨き上げた技 (well-honed instinct)」は、一体、どのようにして生まれたのであろうか。Dr Portugal は次のように説明する。
"When your prey is itself a venomous snake, mistakes are costly."
[ 捕らえようとする獲物が猛毒のヘビだとしたら、失敗すると命にかかわることになる。」

 このため、ヘビクイワシは、長い足を活かした 1 発のキックで、または少なくとも2-3 発の鋭い足蹴りで相手を打ちのめしてしまう (get to stun) ような、「巧みな足捌き(fancy footwork)」を進化させる必要があったのだ。

 「進化 (evolution)」は、ときに、恐ろしい技を生物に与えるものだ。
                                  (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com