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トキ(朱鷺):スコットランドの北の島に渡る (BBC-News, January 3, 2016)

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 朱鷺 (ibis) は夜明けを告げるという。また、古代エジプトでは、毒ヘビを食べ、ナイルの氾濫を告げる聖なる鳥として崇められ、トキを殺した者は厳重に処罰された。知恵の神トート神 (Thoth) はトキの顔を有している。

 さて、日本のトキ (Nipponia nippon) の仲間で、つばさに「玉虫色の光沢(iridescent sheen)」があり、全体的に黒っぽい種(しゅ)が、「ブロンズトキ(Glossy ibis)」。南ヨーロッパからアフリカにかけて生息し、毎年冬になると、若い鳥を引き連れて集団でスペインからイングランドの南部に渡ってくる渡り鳥だ。しかし、 めったにスコットランドにその姿を見せることはないという。

 そのトキが、年の明けた 1 月 2日、スコットランドの北の島で確認された。
 スコットランドの北西沖に、貴婦人の胸を飾るペンダントのような「Hebrides (ヘリブディ-ズ諸島)」が連なる。その Outer Hebrides の「South Uist (サウス・ウィスト島)」に、18 世紀初期に建造され、今は廃墟となった「Ormiclate Castle (オーミクレイト城)」がひっそりと佇(たたず)む。
 そこの、敷地内の静かな沼地で、餌を漁(あさ)るトキが観察されたのだ。スコットランドで、「Glossy ibis」が確認されたのは、今回を含めて、たったの4 度という。

 スコットランドにやって来る冬鳥として、アフリカ東部から熱帯アジア、西インドネシアにかけて広く生息する「Little swift (ニシヒメアマツバメ)」が知られている。学名「Apus Affinis」のこの鳥は、大晦日の祭り「Hogmanay」の日に、スコットランド東部 East Lothian (イースト・ロージアン) の海岸都市Dunbar (ダンバー)近くの「Thortonloch (ソートンロッホ)」湖で確認された。
 「Glossy ibis」は「Little swift」に遅れること数日で、スコットランドにその翼を休ませたことになる。

 地図上で、スコットランドの地を巡るのも楽しいものだ。物語の輪郭がはっきりしてくる。ぜひ、お薦めしたい。

                  (写真は添付のBBC Newsから引用)
                                                  
新年、あけまして、おめでとうございます。
読者のみなさんには、幸多い年になりますように、心からお祈り申し上げます。

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