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魔力を秘めたヤドリギ:その下でキスをすると・・・ (BBC-Earth, December 24, 2015)

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 クリスマスで、天井や入り口のドアの上につり下げる「ヤドリギ (mistletoe)」。冬に花が咲く不思議な植物だ。稲妻が天からもたらした木と信じられ、古くから、ヨーロッパ人はこのヤドリギに不思議な力を感じた。

"On a late winter's day and lit by the setting sun,
bunches of green mistletoe laden with white berries,
with no visible roots,
and springing full of vigour from the branches of the naked trees,
clearly come from another world."

[ 冬の遅い夕暮れどきに、
 沈みゆく夕日に照らされて
 白い実のつく、緑の茂みヤドリギ
 その根は見えずとも、
 冬枯れの、むき出す木々の枝々に
 あふれて止まぬ活力は、
 この世のものとは思われず。]

"They became powerful symbols of the continuity of life - fertility in a landscape that was otherwise dead. Filled with this magic, mistletoe could achieve extraordinary feats, bringing the decreased back to life, curing terminal illness, revealing the location of buried treasure and keeping witches away."

[ ヤドリギは、冬枯れた野にあって緑豊かに繁茂することから、力強い不滅の象徴となった。その緑の塊に宿る不思議な力は、けた外れの魔力となって現われ、衰弱するものには再生力を与え、息絶えだえの病人を治癒し、地下に隠れた財宝のありかを教え、魔女を追い払う。]

 かって、農村では冬になると、リンゴの木や樫の木に生えた古いヤドリギを切り取って焼き、新年を迎える習慣があったという。
 その年、初めて種を蒔いて収穫した畑の畝(うね)12本を選んで、切り取ったヤドリギを畝の上で燃やした。かがり火の中ではお酒が振る舞われ、「much kissing」のドンチャン騒ぎとなるお祭り行事であったそうだ。また、お祭りが終わる前に、かがり火の火が消えたら不吉とされた。これが、「ヤドリギの下でキス(kissing under the mistletoe)」の由来だ。それが発展し、結婚を確実にしてくれる「まじない」ともされた。

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 なお、ヤドリギの白い実を大好物とする鳥は、redwings (ワキアカツグミ)、fieldfares(ノハラツグミ)、mistletoe thrushes (ヤドリギツグミ)、blackcaps (ブラックキャップ)。これらの鳥が、ヤドリギの繁殖を手助け、いや、正確には、稲妻の手助けをしているらしい。

                     (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com