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クリスマスの飾りリース:その魔力、知ってる? (BBC-Earth, December 23, 2015)

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 クリスマスには、常緑の「ヒイラギ (holly)」と蔦(つた)の「アイビー・ガーランド (ivy garlands)」を飾る。ヒイラギは長寿 (longevity) のシンボルであり、また男性の幸福を表わすとされた。
 一方、「ツタ (ivy)」は繁殖 (fertility) のシンボルであり、弱々しく (weak)、しなやかで (sinuous)、木に絡みつく (entwining) ことから、「女性的な植物  (feminine plant)」と見なされ、女性の幸福を願い、18 世紀頃から、「リース (wreaths)」に編んでクリスマスに飾られて来た。
 

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 またその昔、牧畜 (grazing livestock) 農家では、病気で弱った家畜にガーランドの「花冠 (garlands)」を食べさせると、病気が治ると信じられ、Shropshire (シュロップシャー) の農場では、クリスマスの午前中、全ての家畜にガーランドの葉を食べさせて、その後1年間の「魔除け (keeping away the Devil)」にしたという。

 このガーランドは 8 月から 9 月にかけて花を咲かせ、11 月から 12 月初旬まで咲き続ける。このため、ミツバチや昆虫にとっては、「冬眠 (hibernation)」に備えて「花蜜(nectar)」を集める最後の貴重な花となる。

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 ガーランドの生命力は強い。
"These stems grow prostrate along the ground, searching for a vertical support to grow up, in fact, they actively grow away from the light and towards shade - another rare feature called negative phototropism - in the hope that this is being cast by a tree trunk, wall or other upright feature."
" Once found, they grow upwards with the same growth form into the light. Then, once the top of the support is reached or there is sufficient light, the plant switches into the sexual phase.

[ そのツル (stems) は地面をほふくし (prostrate along the ground)、上に向かって成長できる「よすが」を探す。このとき、不思議なことに、初めはとにかく光を避け、陰の方向に延びる。いわゆる「背光性 (negative phototropism)」を示すのだ。まるで、木の幹、壁や衝立(ついたて)などで陰ができることを知っているような振る舞い。]

[ やがて、上に這い上れるものを見つけると、今度は、光の方向にどんどん伸びて、行き着く先端に達するか、十分に太陽の光が浴びられる場所に到達すると、その生態を有性相 (sexual phase) に変換し、花をつけるようになる。]

 条件さえ良ければ、一旦絡みついた木の上で繁茂し、最終的には、成長を見守った木そのものを枯らしてしまうこともある。

 人は、アイビー・ガーランドに、魔女や悪魔から逃れる「魔力」を求めて来たが、実は、その「ivy (ツタ)」は、木々にとっては、不幸をもたらす「魔女」そのものと言える。

                     (写真は添付のBBC Newsから引用)

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