空港に忘れられた1910年ドイツ製テディベア:少女の写真のなぞ (BBC-News, December 3, 2015)
Bristo l(ブリストル)は、イングランド南西部にあって、古くから貿易で栄えた港湾都市だ。2012年2月、この地 Brisrol空港の「出発ロビー(departure lounge)」で、誰かが置き忘れた「手提げ袋 (a caring bag)」が見つかった。中には、「他のもの(other items)」に混じって、古いアンティークの「テディベア (teddy bear)」が入っていて、写真が添えられていた。その写真には、幼い 2人の少女の姿が映っていて、裏には手書きでこんなふうに書かれていた。
With dearest love & x' to our
daring Daddie from your loving
little daughters & Sonia
Dora & Glyn
最大の愛とキスと一緒に、
わたしたちの最愛のパパに
送ります。
あなたの、愛情深い小さな2人の娘、ソーニア、
ドーラとグリン
そして、その上には、1918年の年号が記入されていた。
「Glyn」は Welsh の男の子の名前だ。また、イギリスでは「well loved」の意味としても使われていたので、当初、2人の娘の名前は SoniaとDora で、テディベアの愛称がGlynではないかと思われた。
Bristol 空港の職員は、この件を慎重に扱い、数ヶ月を掛けて搭乗者名簿に名前を探した。しかし、それらしい人は見つからなかった。そこで、このニュースを公開し、一般からの情報提供を求めた。それでも、持ち主は現われなかった。Bristol 空港の「テディベア家族探し」に、幕を下ろしたのは、「RootsChat com」。その組織力を使い、「オンラインで家系探しのフォーラム (free-online forum for researching family history)」を実施している団体だ。
ようやく、現在、地中海の「キプロス(Cyprus)」に在住している Mr Robert Baker が、空港で、あの手提げ袋を置き忘れた本人であることを突き止めた。写真に写った Glyn さんの息子であったという。Glynという名前は、テディベアの愛称ではなかったのだ。
Bakerさんは、Bristol 空港のトイレに置き忘れ、二度と出てこないものと、あきらめていたそうだ。このテディベアは1910年にドイツで作られた作品という。
思い出のテディベアを再び手にした Baker さんは、決心する。
"He said he decided it was time to find the bear - nicknamed Bristol - a new home."
[ わたしの Bristo lに、(可愛がってくれる)新しい家族を探してあげるときが来た。]
そこで、テディベアの「ブリストル (Bristol)」君、12月3日、Newburyでオークションに掛けられた。このアンテーク作品は、「ボロボロで、ほころびがひどい(very worn and tatty)」テディベア。しかし、「新品のときの写真 (original phot)」、「履歴 (provenance)」、「空港ストーリー (airport story)」のプレミアム付きとあって、その価格は £2,200 (約¥410,000)で競り落とされたという。
(写真は添付のBBC Newsから引用)