ドイツの Hanover から東に約100km走ったところに「Schöningen(シェーニンゲン)」がある。この地は、「褐炭の露天採掘 (opencast lignite mine)」跡から、初期人類ヒト属の1種「ホモ・ハイデルベルゲンシス (Homo Heiderbergensis)」が発見されたことで有名だ。
その現代人の「先祖 (ancestor)」が暮らした時代は、今から約 30 万年前。地質年代では第 4 期更新世に遡(さかのぼ)る。遺跡からは、世界最古の「木製の槍 (wooden spears)」も発見されている。
ところが、最近になって、その炭坑跡から「剣歯虎[けんしこ] (sabre-toothed cat)」の歯と骨の「化石 (fossils)」が見つかった。このネコ科肉食獣は、5,580 万年前から11,700 年前に地球上に生息したとされ、上あごから鋭く長い歯がサーベルのように延びているため、「サーベルタイガー (sabre-toothed tiger)」とも呼ばれた。
この化石が Schöningenで発見されたということは、まぎれもなく、「初期人類 (eary human)」と「肉食獣 (predator)」の剣歯虎が、ヨーロッパという地域でともに生きた時代もあったことを意味する。
ただし、剣歯虎の限られた化石からでは、当時の「ホモ・ハイデルベルゲンシス」が、その木製の投げ槍で剣歯虎を仕留めたものかどうかは、判断できないという。
"The cat's humerus bone - worked by humans into a rudimentary hammer - is the first example of its kind anywhere in the world."
[ なお、剣歯虎の上腕骨は、原始的なハンマーに加工されていた。この種の化石としては、世界で初めて発見されたものだ。]
上記一連の内容は、ドイツの Tubingen大学 Dr Jordi Serangeliらの研究チームによって進められ、「The Journal of Human Evolution」の最新号に発表された。
(写真は添付のBBC Newsから引用)