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苦難を乗り越えて生き延びる:ウェールズの小さな赤毛のリス (BBC-News, November 23, 2015)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/834/cpsprodpb/BD98/production/_86263584_16243755869_45079f8cb2_o.jpg

   リスは、日射しが強いと、その大きなフサフサのしっぽで日陰を作り、エサをほおばる。古代ギリシャ人は、この様子をよく観察していたものだ。
 英語の「squirrel(リス)」の語源は、ギリシャ語の「skiouros」。この語は「skid(shadeの意)」と「oura (尾の意)」の2つの語から成り立ち、その意味は「that which makes a shade with its tail.(しっぽで日陰をつくる小さな生き物)」だ。

 さて、イギリスではかって、毛皮が美しい赤毛の「キタリス (red squirrel)」が広く繁殖していた。ところが1800年代、アメリカから北米原産の「トウブハイイロリス(grey squirrel)」が持ち込まれると、これが在来種を駆逐し始める。さらに悪いことに、北米種は「リス・パラポックスウイルス感染症 (squirrel parapoxvirus)」を広げてしまう。
 このダブルパンチを受けて、イギリスのキタリスは一時、絶滅の危機に追い込まれた。

 幸い、政府が進めた「grey squirrel」撲滅プログラムによって、その生息数は徐々に回復( resurgence)し、ウェールズの「Anglesey (アングルシー島)」でも、700匹を数えるまでになったという。
 アングルシー島は、ウェールズ北西部のメナイ海峡を挟んで、ブリテン島に接するように位置する、古い歴史のある島だ。

 しかし、ようやく生息数が増え始めたキタリスに、思いがけない災難が降りかかる。それは「車 (vehicles on roads)」。2004年以降の調査によると、野生のキタリスの死因の48%は「車に轢(ひ)かれて」。また、今でも「感染症 (infectious diseases)」がイギリス全土に蔓延しているため、エサ箱から感染するケースが跡を絶たない。それゆえ、リスのエサ箱は定期的に消毒する必要があるという。 

  なお、「Anglesey」では、古代ローマ時代から銅、鉛、亜鉛などの鉱石が採掘された。鉛鉱石の一種「Anglesite (硫酸鉛鉱)」は、この島の名前に因んで付けられた名称だ。      
                     (写真は添付のBBC Newsから引用)
                                                 

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