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顔を読み取れ:研究予算11億円 (BBC-News, November 20, 2015)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/976/cpsprodpb/A6E9/production/_86792724_019902315.jpg

  小泉八雲ことラフカデオ・ハーンの名作「怪談」に、「むじな」と題した話がある。

 東京がまだ江戸と呼ばれていた頃のことだ。ある晩、年配の商人が、赤坂の紀国坂辺りを通ったところ、若い女がしゃがんでシクシク泣いている。親切に、「どうしたのか」と声を掛けると、女は立ち上がり、振り返った。その顔は「のぺらぼう」。目も、鼻も、口もなかった。実は、むじなが女に化けて、商人をだましたのだという。

 顔がなくては、相手の表情も、敵意・好意の区別さえつかない。まさに「おばけ」だ。肝をつぶすしかない。

 ところで、役者は、「顔が命」だそうだ。確かに、役者の魅力は顔にある。また、「顔色が悪い」とよく言うように、健康状態も顔に現われる。それだけには留まらず、笑っている、怒っている、悲しんでいる、噓をついている、などの「心理状態」も、いや「性格」さえ、顔に現われてしまう。
 最近の「予知心理学」によると、顔には、その人の将来性や運命まで刻み込まれるそうだ。

 さて、スコットランド Sterling大学の Peter Hancock 教授の研究チームが、「内務省(The Home Office)」や「民間の専門家 (industry specialists)」と共同で「顔認識 (face recognition)」に関する研究プログラムを、来年1月からスタートさせることになった。
 研究期間は5年間。その間、約11億円 (£6m) がつぎ込まれ、「人間は、知らない人の顔の識別に手こずるのに、なじみの顔を瞬時に判断できるのはなぜか」という、難問の解明に取り組む。

 この研究の主たる目的は、「世界の安全保障 (global security)」に役立てるためとか。しかし、その成果は、「経済活動 (commerce)」においても、「本人確認 (privacy implications)」に威力を発揮するものと期待されている。

"In the future it could be your bank will recognise you automatically at the cash machine and remove the need for pin numbers."

[ 将来、銀行の自動預け払い機の前に立つと、機械が自動的に顧客を判断し、コード番号を打ち込むようなキー操作が不要になるはずだ。]

                     (写真は添付のBBC Newsから引用)
    

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