British Englishで「crisp」とは「potato chips」のこと。その語源はラテン語の「crispus」。もともとの意味は、「curled (縮れ毛の)」。それが、どういうわけか、16世紀に「パリパリの」状態を表わす形容詞として使われるようになり、やがて、名詞「ポテトチップス」の意味が定着する。
その商品は、ご存じのとおり、袋に入っている。ところが、商品によっては、袋全体の大きさ、容積に比べて、肝心のポテトチップスの量が余りにも少ないものがある。
ポテトチップスのパッケージと派手なカラー印刷は目を引くが、それは「錯覚(illusion)と「幻想 (fantasy)」に満ちているではないか。つまり、「ごまかし (short-changed)」だ。
写真家 (photographer)「Henry Hargreaves」氏は、ついにキレた (snapped)。
アレキメデスの原理を思い出した Hargreaves氏は、ポテトチップスを袋から開け、それを全部、水の中に沈めて、溢れ出た水の重さから、中身の体積を計った。
当初の推定 (hypothesis)では、袋の中の50%が空気だろうと考えていたという。しかし、測定結果は衝撃的だ。なんと、袋の容積の87%を空気が占める商品が見つかった。「ドリトス (Doritos)」のチップスがそれ。
製造メーカーの説明によると、チップスが、製造工程や輸送時に壊れるのを防ぐため、袋に窒素ガスを充填しているという。大気圧の変化に対応できるように、少々高めに窒素ガスを封入すると、チップスのうま味が増し、賞味期限も延びるとされる。
そこで、Hargreaves氏は、ポテトチップスを「真空包装 (vacuum-sealed)」にして、袋の中の空気を抜いた実験を行なった。袋に空気を入れると、本当にチップスが壊れにくくなるのか、疑問を持ったのだ。
すると、メーカーの説明に反して、
"The ones with the most air also have the most breakage."
[ 袋の空間が大きくなるほど、チップスがたくさん壊れる。]
ことがわかった。つまり、真空包装にした方が、商品の傷みが少ない。おまけに、輸送の効率も上がることは明白だ。
この結果にもとづいて、Hargreaves氏は、環境問題に触れる。
ポテトチップス商品を100台のトラックで輸送することを考えると、その内の87台は、空気を運んでいるだけの、むだなトラックになる。空気を運ぶトラックの燃料コスト、人件コストも巨額に上るに違いないが、輸送時のCO2排出量も膨大になっているはずだ。
さらに不思議なことに、「プリングレス (Pringres)」のポテトチップスは、紙筒に入って、販売されている。Hargreaves氏は、その中身を見て、またも驚く。さぞかし、ポテトチップスがいっぱいと思いきや、蓋を開けると、中は、「とんでもないほどの空気 (a hell of a lot of air)」でいっぱい。
メーカーは、その理由をどのように「釈明(ごまかし)」しようとするのだろうか。
(写真は添付のBBC Newsから引用)