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明日は豊かになるために:オーストラリアの教訓 (BBC-Capital, November 4, 2015)

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  オーストラリア大陸の赤茶けた大地の下には、どの国もうらやむ程の膨大な資源が眠っている。鉄鉱石 (iron ore)、石炭 (coal)、ウラニウム (uranium)、そして天然ガス (natural gas)もある。
 つい、数年前、市場アナリストはこんなふうに言ったという。
 「今は、中国とインドの経済発展のお陰で、オーストラリアの資源産業は、すばらしい繁栄の時代 (fantastic era of prosperity)だ。この景気は今後20年から25年は続くだろう」と。
 ところが、この1年間で、資源関連の雇用は5万人が消えた。これは資源産業で働く労働人口27万人の18%に相当する。すなわち、たった1年間で、鉱山で働く労働者の約5人に1人が職を失ったことになる。一方、製造業の失業者数は、2014年2月から現在までの統計によると、25,300人。

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 資源関連者の中には、天然ガスに目を向けて、これがオーストラリアの「希望の光 (beacon of hope)」だと、期待を寄せる人もいる。その開発によってオーストラリアが世界のLPG生産大国になり、他の産業を牽引するに違いない、と夢をみる。

 しかし、今、オーストラリアの「企業 (jobs)」の40%近くが経営危機に直面している。とくに、地方の状況は厳しく、企業の60%以上が苦しい状態に追い込まれている。

 この経済危機を脱出し、将来の繁栄を目指すためには、何をすべきか。
 あるコンサルタントの人は、資源の他にも、今のオーストラリアにとって需要の高い「看護 (nursing)」や「建設業 (construction)」に力と資金をつぎ込むべきだ、と主張する。

 これに対して、「Design Australia」会長のMaureen Thurston氏の意見は違う。
"Still, it's not enough to invest in being 'smart'. We need to foster creativity. We need explorers, challengers to the status quo."        
[ 技術力を磨くだけでは不十分。今のオーストラリアに必要なのは「独創力(creativity)」を育てること。現状を切り開く人、現状に挑戦する人が求められているのだ。]

  これは、なにもオーストラリアに限った話ではない。日本でも危うい状況にある機関・組織は、どこにでもある。「現状(status quo)」に甘んじ、さらに、判断を間違うと、とんでもない結果が待ち受ける。      
                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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