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「パンプキン スパイス」珈琲 :アメリカで大流行 (BBC-Magazine, October 30, 2015)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/936/cpsprodpb/90C5/production/_86416073_pumpkinsab.jpg

  アメリカは、今、「パンプキンスパイス (pimpkin spice)」ブーム一色だ。
 ドーナッツ、ベーグル、マフィン、ハンバーガー、ポテトチップスにビールやリキュール、ヨーグルト、塩味スナック、アーモンドチーズ、それにドッグフーズや歯磨きにまで、「身の周りのもの (paraphernalia)」には全て「パンプキン風味 (pumkin spice)」が加えられる。

 その先鞭をつけたのは、Starbucksが2003年に売り出した「pumpkin spice latte (パンプキン風味カフェラテ)」。当初、その風味を出すため、本物のパンプキンを使っていたが、現在はフルーツ・野菜ジュース (約2%)で代用している。

 実は、パンプキンスパイスには秘密がある。
 「パンプキンピューレ (pumpkin puree)」の成分の大半は、水。わずかに繊維質が含まれるだけで、味はほとんど感じ取れない。パンプキン独特の風味は、「焼く」、「煮る」などで料理するか、あるいはバターや砂糖、クリーム、マシュマロに他のスパイスを加えて微妙に調整されたものだ。パンプキン本来の風味とは、違ったものが出回っているといえる。

"Pumpkin is not a favourite food. Children and many adults often avoid pumpkin as they do rutabagas and some root vegetables."

[ このパンプキン。誰にも好かれる食べ物ではない。子どもや大人まで、ルタバガやダイコン、ジンジンなどの根菜類と同様、できれば、パンプキンは避けたい食べ物だ。]
 
 それなのに、この数年、急速にパンプキンスパイスがもてはやされるようになったのは、パンプキンのイメージから来る「郷愁 (nostalgia)」、「巧妙な市場戦略 (clever marketing)」、「メディア報道 (media coverage)」に加え、「Starbucks」、「Dunkin Donuts (ダンキンドーナッツ)」、「Hallmark (ホールマーク)」などが繰り広げた「誇大広告 (hype)」のせいだ。

 さらに、「中世ヨーロッパ (Medieval European)」の伝統料理 (culinary traditions)で使用されたスパイスの歴史がある。それがアメリカにも伝えられた。
 ただし、20世紀以前、シナモン、ナツメグクローブなどのスパイスは高価で、ほとんどの家庭にとって、特別な日以外に使えるものではなかった。シナモンパイ、シナモンクッキーなどのスパス入りパイやお菓子は、「ホリデーのお楽しみ (holiday fare)」であったという。

 そこで、「感謝祭 (Thanksgiving)」まで収穫できるパンプキンを、スパイスとして使用したのはアメリカ人だ。

 ところで、そのパンプキン。何にでもパンプキンスパイスとなると、その需要は膨大になる。アメリカでは、この5年間でパンプキン生産量が79%も伸びた。それでも、アメリカの人口は3億1千万人。そろそろ、品薄が気になるところ。

 しかし、消費者の心配は、どうやら、無用のようだ。それは、「パンプキンスパイス」を売り物にする会社は、ほんの微量 (minuscule amounts)で、パンプキン風味を作り出せる「化学合成物質 (flavour compounds)」を使っているから。したがって、パンプキン不足 (shortage)が起こるはずはないことになる。

                    (写真は添付のBBC Newsから引用)

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