ヒロシのWorld NEWS

世界のニュースを日本語でお届け!

星の大きさは無限大?:原始の宇宙へタイムスリップ (BBC-Earth, October 20, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/1280_640/images/live/p0/35/n3/p035n398.jpg

 夜空にきらめく星は小さな光の点に見える。しかし、あの小さな点の中には、太陽の数百倍の大きさの恒星もあり、それぞれが核融合反応 (fusion) を進めて、宇宙に膨大なエネルギーを放出している。

[ 私たちが目にする恒星で、一番近くにあるのは、太陽 (the Sun)。その質量は2兆kgの1兆倍の、さらに100万倍の(2の後に0が30個並ぶ)値。地球をクリップに例えると、太陽はハーレー・ダビッドソンのモーターバイクだ。]

"The nearest star is, of course, the Sun, it has a mass of about 2 million trillion trillion kilograms (a 2 followed by 30 zeroes). If Earth weighed the same as a paper clip, the Sun would as much as a Harley-Davidson motorcycle."

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/976_549/images/live/p0/35/n3/p035n3qs.jpg

 しかし、宇宙に存在する恒星の約1%は、太陽の8倍以上の質量と、巨大になる。では、恒星は無限に大きくなれるのか。この質問には、「エディングトン限界 (Eddington Limit)」理論が答える。その理論によると、恒星の質量が太陽の150倍以上になると、光の輻射圧と重力のバランスが崩れ、恒星が吹き飛ぶ。

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/976_549/images/live/p0/35/n3/p035n3w7.jpg

 ところが、2010年、Sheffield大学Paul Crowther教授の研究チームが、これまでの理論では説明できない、とんでもなく巨大な星を「R136 星団 (cluster)」で発見した。

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/976_549/images/live/p0/35/n3/p035n3zm.jpg

「ヴォルフ・ライエ星 (Wolf-Rayet star)」(青色超巨星)の「R136a1」だ。その質量は太陽の265倍で、輝く強さは太陽の1千万倍。放出エネルギーも膨大で、寿命は数百万年と見積もられている。宇宙の時間スケールでは、まさに、まばたきするほどの短さで、星は燃え尽きてしまうという。

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/976_549/images/live/p0/35/n3/p035n3b9.jpg

 天文学者は、なぜ、これほど巨大な恒星が誕生するのか、頭を悩ませる。

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/976_549/images/live/p0/35/n3/p035n3pt.jpg

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/976_549/images/live/p0/35/n4/p035n47b.jpg

 一つの仮説として、どでかい「クエーサー (quasars)」が考えられる。クエーサーは「ブラックホール (black hole)」からエネルギーとガス体の供給を受けて生長する天体。太陽の質量の100万倍ほどに巨大化すると、やがて崩壊し、太陽の約10万倍の恒星になる。しかし、余りにも大きいため、不安定で、すぐに「超新星爆発 (supernova explosion)」を起こして、ブラックホールを生成する。
 ブラックホールは、再び、周りのガス体やチリを吸収し、ときには他のブラックホールと「合体 (merging)」を繰り返し、そのエネルギーをクエーサーに供給する。

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/976_549/images/live/p0/35/n3/p035n37q.jpg

 天文学者が待ち望むのは、2028年に開始される「ヨーロッパ・レーザ干渉計スペースアンテナ計画 (Europe's Laser Interferometer Space Antenna (eLISA)」だ。これで宇宙空間重力波望遠鏡が利用できるようになる。

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/976_549/images/live/p0/35/n4/p035n462.jpg

 この計画では、2つのブラックホールが衝突するときに発生する「重力波(gravitational waves)」を解析し、ブラックホールの質量ならびにそれを造りだした「超大質量星(supermassive stars)」の質量を算定する予定。

 およそ138億年前、ビッグバン (the Big Bang) で宇宙が誕生したとき、光を発するものは何もなかった。その「原始の宇宙 (primordial cosmos)」の状態から、星はどのようにして形成されて行ったのか。天文学者は、宇宙の、そして星の歴史の解明に迫ろうとしている。

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/976_549/images/live/p0/35/n3/p035n3nt.jpg

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/976_549/images/live/p0/35/n3/p035n3yj.jpg


                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com