ワンちゃん教えて:15,000年前どこで何があったの? (BBC-Science & Environment, October 20, 2015)
あなたの腕の中のワンちゃん (pooches)も、その昔、遺伝子を変えて大変身したオオカミ一族の末裔だ。
さて、英語の「dog(イヌ)」は古英語「docga」が変化した語形。しかし、その語源は不詳とされる。言葉だけではなく、dogの発祥の地も、人間に飼われるようになった経緯(いきさつ)も不明だ。
ただし、多くの科学者の見解では、「オオカミ (wolves)」のある一族がイヌ (dogs)として、人間の側で生きるようになったのは、少なくとも15,000年前のこと。そのとき、オオカミには、何が起きたのか。
Cornell大学の Dr Adam Boykoらの研究チームが、世界中で名の知れた「純血種犬(purebred dogs)」4,675 匹と「野犬 (village dogs)」549 匹の遺伝子 (genes)を調べた。
イヌの「染色体 (chromosomes)」に書き込まれた「遺伝子マーカー (genetic markers)」のパターンを分析したところ、イヌの「家畜化 (domestication)」が最初に現われたのは、「中央アジア (Central Asia)」であることが判明したという。
およそ15,000年前、モンゴルかネパールの高原地帯で、オオカミに遺伝子変化を伴う何かが起こり、人間との関係を深めていったと考えられる。
当初、オオカミは、人間が仕留めた大型の獲物の食べ残しをあさっていた(scavenging) が、その内、人間の近くに住んで、家畜として飼われ、猟犬、番犬の役目を担っていったと見なされている。
人間とともに歩む道を選んだオオカミの一族。今や、その子孫 (descendants)のイヌの仲間は10億匹を数える。片や、本流を守り抜いたオオカミ (wolves) の子孫。その生存数はイヌの100分の1に満たない。勝負はどちらにあったと見るべきか。
(写真は添付のBBC Newsから引用)