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美しきもの、世界で一番美しい生物よ:お住まいは熱帯? (BBC-Earth, October 15, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/wwfeatures/976_549/images/live/p0/35/94/p0359448.jpg

 映画やテレビでみる熱帯のジャングルは、色鮮やかな花や、蝶、鳥で溢れている。そのせいか、誰もが色彩の美しい自然と熱帯を結びつけてしまいがちだ。

   代表例がベニコンゴウ インコ (Red-and-green Macaw)。その大型のインコは、鮮やかな赤と、緑と青の羽で着飾り、南国の貴婦人の風格十分。美しい鳥かごが部屋に一つあるだけで、異国情調たっぷり、いや南国のゆったりした雰囲気と静かな時間の流れとを感じさせてくれる。

 しかし、「野生生物 (wildlife)」は赤道に近づくにつれて、本当に色彩が豊かになっているのだろうか。

 オーストラリア「New South Wales大学」博士課程の学生Rhiannon Dalrympleさんが、オーストラリアの野生生物1,333種 (species)の「色彩 (colouration)」について共同研究し、その結果を科学雑誌「Global Ecology and Bio geography」に発表した。

 調査対象のフィールドは、オーストラリア東部海岸からその大陸南部の孤島「タスマニア(Tasmania)」に至る、「緯度(latitude)」にして34.5°をカバーする広い地域。そこには、「熱帯雨林 (tropical rainforest)」、「温和な森林地帯 (temperate woodlands)」、「灌木地帯 (shrublands)」が含まれる。
 その一帯に生息する鳥、蝶、草花の色に関して、「彩度 (intense)」、「コントラスト(contrast)」、「色相幅 (colour range)」の3項目を測定し、熱帯地域の野生生物の色彩に比較した。検討した色相は、紫外線 (ultraviolet light) にまで及んだ。

  データの解析結果は、これまでの常識を覆すものだった (flipped people' views)。データからは、「熱帯地域に生息する野生生物は、他の地域に比べて、色彩豊かで美しい」という結論が、見いだせなかったのだ。

"Our data do not support the idea that the tropical latitudes contain the most colourful species or house the more colourful biological communities." [From: the original paper]

 もちろん、この研究で使用した野生生物の色彩データには、フィールド取得以外に、博物観保管の標本データも入っている。そのため、標本採取者の「選択好み (biases)」が若干、影響した可能性は否定できないという。

 それにしても、「美しいもの」を相手に研究した結果は、素直に、美しく褒めてあげたいものだ。
                     (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com