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これで安心:心臓発作の新たなリスク検査 (BBC-Health, October 8, 2015)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/904/cpsprodpb/EF20/production/_85961216_thinkstockphotos-520540591.jpg

  心臓発作(heart attack)には前兆がある。その症状(symptoms)は、見逃せない。

・胸に鈍痛または重圧感を覚える。
・胸に軽い不安感があり、なんとなく具合がわるい。
・背中、腕、おなかに広がる痛みがある。
・消化不良につながる痛みがある。
・ふらつき、めまいを感じる。
 
 心臓の病気は怖い。そこで病院側の診断も慎重になる。胸に痛みを感じて病院で検査を受けると、検査結果が判明するまで12時間も待たされる。

 このほど、医学雑誌「The Lancet」に発表された「高感度心筋トロポニンI分析法(High sensitivity cardiac troponin I assay」は、すぐに結果が出る上、検査コストが安い。患者と病院の双方にとって歓迎される新技術だ。研究開発の中心となったのは、Edinburgh大学のDr Atul Anandらの研究チーム。

 これまでの診断法では、はじめの血液検査で、損傷した心筋から漏出するトロポニンが検出されと、12時間後に再度、血液検査を受ける必要があった。新たに開発された高感度トロポニン検査では、トロポニンI検出の感度が格段に高く、しかも検査は一回で済む。したがって、検査入院の必要はない。
 なお、この新検査法を、6,304人の患者に適用した結果、診断精度は99.6%であった。

 イギリスでは、胸の痛みで病院の「救急治療室(A&E departments)」の世話になる人が約100万人もいる。ところが、その受診者の80%は、心臓発作とは無縁。つまり、この病気の判断には慎重を要するとは言え、ずいぶんと時間と経費をむだにして来たことになる。

 急増する医療費の負担に、頭を痛めているのは、日本だけではない。医療費全体に占める数々の検査費用も膨大な額に上る。原題の記事は、医療費の削減にすぐに大きく結びつくものではないが、雲間から差し込む光を見るような、心が晴れるニュースだ。

                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com