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冥王星の月カロン:宇宙には氷の噴火活動があった (BBC-Science & Environment, October 1, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/768/cpsprodpb/FA2E/production/_85864046_nh-charon-neutral-bright-release.jpg

 今年7月14日、「NASA (アメリカ航空宇宙局)」の探査機「ニューホランズンズ(New Horizons)」が太陽系の準惑星冥王星 (Pluto)」に最接近した。そのときに撮影された膨大な映像データの解析が、現在、NASAで着々と進められている。
 今回、NASAが公開した映像は、冥王星を周回する5つの衛星の中で最大級の「カロン (Charon)」の高解像度画像。それは、冥王星十五夜の月かと思われるほど、美しい。

 カロンは不思議な天体だ。まず、その大きさ。月だというのに、その直径は冥王星の約半分1,214kmもある。しかし、大気は全くなし。
 研究者らは、当初、地形の変化の激しい冥王星と比べて、これと言った特徴のない平凡な(dull)天体と考えていた。

 ところが、画像データを解析して、現われたのは、クレータ (craters)に山脈 (mountains)もある、魅力的で変化に富んだ地形 (fascinating and diverse surface features)。
 巨大な「破砕帯 (fractures)」と「峡谷 (canyons)」がカロンの中央を斜めに走り、その大きさは「火星のマリネリス峡谷 (Valles Marineris Canyon)」に匹敵するほどだ。

 さらにその峡谷を境にして、北半球と南半球では、全く違った奇妙な光景が広がる。
 映像の上半分に当たる北半球の地形は、くたびれて、しわが寄る(battered and crumpled)、岩のゴツゴツした高地 (rugged uplands)になっている。
 これに対して南半球になると、「ヴァルカン平原 (Vulcan Planum)」の名で呼ばれるように、地形は、なだらかな平原に一変する。大きな隕石が衝突した跡も少ない。このことは、南半球が、カロン誕生後に再度、大地殻変動を受けたことを意味するという。

 研究者の仮説は、「氷の噴火活動 (cryovolcanism)」だ。
[ その昔、カロンには地下の海が存在し、その水が凍って体積が膨張した。これによって、カロンにはひび割れが生じ、その割れ目から溶岩のように、氷が噴出した可能性がある。]

"The team is discussing the possibility that an internal water ocean could have frozen long ago, and the resulting volume change could have led to Charon cracking open, allowing water-based lavas to reach the surface at that time."
                 (写真は添付のBBC Newsから引用)   
  

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